煌/志村節子著

 新刊書はその下部に帯がついている。これを昔は(今も?)腰巻と呼んでいた。腰巻は勿論販売促進ツールであって、読者の目を惹く惹句、写真、イラストが散りばめられている。売行きによって、重版の際に腰巻を変える事もある。昔「面白半分」という雑誌が「日本腰巻文学大賞」を主催していた。(もっとも、洋書には腰巻はないので日本と態々名乗る必要もないが)我が国固有の文化として再開して貰いたいものである。本書は表紙絵と腰巻が上手く調和しており、腰巻付きの写真にしてみた。

本書には六編の書き下ろし短編がある。作者は江戸時代の情緒をテーマを決めて連作するのが得意のようで、煌(きらり)では、光と音、花火をテーマにして遊女、船問屋、紙問屋、簪職人、花火師、旅駕籠屋、それぞれの人間模様を描いている。

面白いのは夫々の短編に年号が決められており、その時代を調べてみると、地震や飢餓或いは大火事であったりと、その時代の出来事を背景にして物語が進んでいく。当時は大川(隅田川)の川開きが有名で、その花火職人が出てくる一遍もあるが、作者は愛知県豊橋、吉田神社の紅蓮の如く燃え盛る手筒花火に登場人物の熱い心情を投影しているようである。
全六篇、三遊亭圓朝作人情話の抜き読みを聞いているような錯覚を覚えた。

第一回テーブルゲーム選手権大会(於青森)/タモリ

タモリのファーストアルバムです。これをカセットテープに入れて繰り返し、何度も聴きました。殆ど覚えています。

—-<2005.01.09>
 デビュー当時のタモリの得意ネタであった4ヶ国麻雀です。今聞いても十分笑える名作です。当初四ヶ国麻雀と言ってましたが、レコード化の時にこの変なタイトルに変更されてしまいました。於青森というのは、青森県出身の寺山修司を出したいがための設定のようです。ちなみに、4人目のネチネチした喋り方をするのはベトナム人です。
 

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★★☆
意味不明度 ★★★

イタイのそこが/Mr. オクレ

Mr.オクレは吉本興業の芸人で、村上ショージらと共に「オレたちひょうきん族」で何人トリオの一員となり黒沢明とロス・プリモスの「ラヴユー・東京」をもじった「ラヴユー・貧乏」でブレークしました。
ブレークしたと言っても、これと言った芸は無く、無気力、やる気なしが、芸と言えば彼独自の芸と言えるかもしれません。
この歌はタイトルが良いし、ジャケットも悪くない。曲もそれなりのムード歌謡風味。しかし肝心のMr.オクレの歌が、どうにもいけません。もっとも無気力が売り物のMr.オクレに気合を入れて歌え、というのが土台無理な注文で、そこの処、何卒ご理解頂きたい、という処でしょうか。

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★★

四時半ブルース/一節太郎


一節太郎って覚えてますか? 「にぃ~げぇたあ、女房にゃあ、未練は、無いがあ~お乳欲しがる、この子がかわい~」という浪曲子守歌で一世を風靡しました。当時200万枚の売り上げを記録したそうです。この歌でデビューしたので浪曲出身かと思っていましたが、ウィキペディアによれば遠藤実の内弟子第一号だそうです。

四時半ブルースは硬派の演歌歌手にしてはトホホ感溢れる佳曲です。毎朝4時半に出来立ての弁当を持って仕事に行くとうちゃん。苦労して息子を大学まで行かせたのに、バカ息子は大学でゲバ棒をふるってる。親孝行などしなくてよいからいっぱしの男になってくれ。当時の世相が現れています。しかし「ゲバ棒」はもう死語の世界に入ってますね。尚、YOUTUBEに浪曲子守歌のオリジナルがありましたので、リンクしておきました。

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★☆
意味不明度 ★★☆

 

丸の内ストーリー/畑中葉子+ビートたけし

畑中葉子さんは二回目の登場ですが、大ヒット曲の「カナダからの手紙」以外は笑える歌が多いです。最近芸能活動を再開されたそうです。

…<2011.10.10>

ビートたけし扮する総務課長にオフィスラブ進行中のOL役である畑中葉子が電話をかけ、最近ないのといきなり言いだし、しどろもどろの総務課長がかなり笑える。(ビートたけしは語りだけ)畑中葉子は平尾昌晃とのデュエットで「カナダからの手紙」でデビューし、当初清純風であったが、その後映画にも出演し、歌の方では「後ろから前から」や「もっと動いて」などの不朽の名作を残している。 

 トホホ度 ★★★
 お笑い度 ★★★★☆
 意味不明度 ★★

 

How insensitive / Frank Sinatra + Antonio Carlos Jobim

最近はかつての名作が次々と復刻CD化され、しかもかなり安い値段で販売されています。先日、そんな中からアントニオ・カルロス・ジョビンの遺作である”Antonio Brasilero”を買ってみました。実は買う前には知らなかったのですが、このアルバムにはスティングが客演し”How Insensitive”を歌っています。

このスティングの歌を聞いてフランク・シナトラとアントニオ・カルロス・ジョビンの共演を思い出しました。二人はリプリーズに20曲録音しており、ジャケ写のアルバムにはその内、クラウス・オガーマンのアレンジによる10曲が収められています。このCDでも”How Insensitive”が歌われており聞き比べてしまいます。勿論スティングの歌も素晴らしいのですが、何と言ってもクラウス・オガーマンのアレンジが素晴らしく、どちらかと言えばシナトラに軍配でしょう。

オガーマンは私の最も好きなアレンジャーで最盛期には彼がアレンジすればレコードが売れるという事で依頼が殺到し、飛行機の中でも書いていたそうです。ダイアン・クラールはオガーマンからこの譜面を借りてアレンジの勉強をしたと言っていました。

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春画で学ぶ江戸かな入門/車浮代・吉田豊著

江戸の春画を意識し始めたのは田中優子法政大学長の著作を読んだのが切っ掛けでした。その後永青文庫で春画展が開かれ、色々な画集等も発行され巷では春画ブームの様相を呈しており、自分もその渦中にいるようです。

田中先生の本には江戸の風俗と春画の書かれた背景とが丁寧に解説されており、少々美化しすぎの感もありますが、色々と勉強になりました。

しかしながら、春画の中に細かい字でくだくだと書かれている詞書(かな文字)についての説明は殆どありません。

そこに何が書いてあるか知りたいのは人情ではありますが、勘を働かせても類推しても到底読めず、どうせ大した事書いてないよ、とか思いつつも何か気になっておりました。そんな私の心情を見透かしたかのように本書が発行され、これは読まないわけにはいかないでしょう。流石幻冬舎。

著者によれば「享保七年(1722)八代将軍・徳川吉宗が『享保の改革』の一環として『好色本禁止令』を発布して以降、春画および春本は秘密裡に売買されるようになりました。公に販売される印刷物は検閲を通さなければならなくなり、題材や色数などが制限されてしまいましたが、裏で売られる春画は検閲を通さないので、贅沢のし放題。どれほど重ねても、金・銀・雲母(きら)などの高価な材料を使っても、エンボス加工(型押し)や仕掛け(細工)をしてもお構いなしです。」
よって結論として
「現代ではエロティックな商業印刷物は低俗と見られがちですが、春画は逆です。浮世絵芸術の頂点に君臨していたのが春画で、精巧な根付けなどと同じく、持っていることがステイタスで、自慢の種でもありました。」
木版画である浮世絵技術の粋を集めた春画が浮世絵の頂点である、という事らしいです。そしてこの本を読めば浮世絵の頂点たる春画の詞書が読めるようになるんです。

春画に限らず江戸かなを読むにはまず基本の八文字を覚える事。これが出来れば八割は読めるそうです。これを筆者は「八文字呪文」と呼んでいます。テーマが春画なので、これを並べ替えて
「は た か に わ け す れ」(裸にわ毛擦れ、と覚える)
これを覚えたら次にレベルアップの八文字呪文として
「を す き は つ の ほ り」(を好き初登り、と覚える)
これもマスターすれば9割方は読めるようになるそうです。

この八文字を基本に実際の春画の詞書が解説されています。成程、裸にわ毛擦れ、が分かるだけでも随分読めるものだと感心します。逆にいうと筆が滑ってちょっと曲がったようにしか見えない線もちゃんとかな文字だったんです。

本書には付録としてちょっと大型の栞が付いており、これの片面に、裸にわ毛擦れ、裏面に、を好き初登り、が印刷してあり、私の場合は、この栞をカンニングしながらなんとか着いていくという感じでした。

勿論これ一冊読めばかな文字が全て読めるようになる訳ではありませんが、駄目だと思っていたのが不可能ではないと分かり、少々嬉しく感じた次第です。

 

吉幾三/俺ら東京さ行ぐだ~

 TOKYO MXテレビの「今夜は眠れ9(ナイン)」(月~金 21時~)で最近の女子高生に流行ってるものを調査し、クイズするコーナーがある。先週月曜日は「女子高生がカラオケで歌う昭和の歌」というお題で調査している。女子高生にインタビューすると「盛り上がる」「〆は必ずこの歌」というようにかなりの人気であった。その歌は西城秀樹のYMCAかと思ったが、なんと吉幾三の「俺ラ東京さ行ぐだ~」であった。他には「替え歌が作り易い」という意見もあった。どうもこのブームは本物らしく、シングルが再発される予定だそうです。

 

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★★

Make It Easy On Yourself / Walker Brothers

先週の山下達郎サンデー・ソングブックで久々にこの歌が聞けました。(邦題:涙でさようなら)いつ聞いても良い曲です。

The Waker Brothers は日本でも”In My Room” (孤独の太陽)や”Land of a Thousand Dances” (ダンス天国)”The Sun Ain’t Gonna Shine Anymore”(太陽はもう輝かない)等々のヒットで覚えている方も多いと思います。この曲はバート・バカラックの作曲でジェリー・バトラーのカバーですが原曲より数段良い出来だと思います。

リードボーカルのスコット・ウォーカー(ジャケ写中央)はウォーカー・ブラザース解散後本名であるスコット・エンゲルに改名しソロ活動を開始しました。その頃、ミュージック・ライフという雑誌にスコット・エンゲルの顔がアップになっている一頁の白黒グラビアがあり、その写真を見てカッコエエーと思ったと同時に何かそれ以上のものを感じた事を未だに覚えています。三島由紀夫は「聖セバスティアヌス」という、半裸のマッチョが木に縛り付けられ弓矢で撃たれている絵を見て初めて精通したと仮面の告白に書いています。勿論私の場合はそんな大仰なものではありませんが、それを読んだ時、妙に納得した覚えがあります。

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性の機械/王様

王様は1995年のデビュー以来、終始一貫直訳ロックの普及に邁進しており、数々の名作(迷作)があります。英語の歌の意訳又は日本語の歌詞を付けて歌う事は古くから色々ありますが、王様の様に全く直訳というのは前代未聞でしょう。所々訳が怪しいところもありますが、歌詞の意味も分かり楽しめます。又日本銭湯会の会長でもあり、以前は麻布十番温泉の演芸場で銭湯ライブをやっていましたが、この湯が閉店していまい、それ以降は毎年暮れに蒲田温泉二階の演芸場で銭湯ライブを続けています。自分が川崎に通っていた頃は毎年行ってましたが、職場が変わり、ここ二年位ライブを見ていません。現在は全国を廻って毎日のようにどこかでライブやってます。来月は自宅近くでやるようですので、久々に見に行ってこようと思ってます。<2004.11.27>
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王様は顔がトランプの王様に似ているという事で付けられたあだ名がそのまま芸名になったようです。王様は我が国随一の日本語直訳ロッカーでこれまでのヒット曲には「深紫/Deep Purple」の「高速道路の星/HIGHWAY SATR」、「湖上の煙/SMOKE ON THE WATER」、 「転石/Rolling Stones」の「飛んでるジャックの稲妻/JUMPIN’ JACK FLASH」、「満足できない!/I CAN’T GET NO) SATISFACTION」等数々の名訳(迷訳)曲があります。

この性の機械は言うまでもなくジェームスブラウンのSex Machineの直訳ですが、これは苦労の後が見受けられます。例のケロンパ (Get on up) を「御立派」と訳したのは苦し紛れとはいえ、たいしたもんです。

トホホ度 ★★★
お笑い度 ★★★
意味不明度

みんな!俺を男にしてくれ/Fellows, Ready to get up and do my thing!
もう、ギンギンに行きたいんだよね/I wanna get in to it man, you know?
なんか、こう、性の機械になったって感じ? 分かる/Like a, like a sex machine man?
みんな頼んだぞ/Movin’ and doin’, do you know?
数を勘定するぞ!/Can I count it on?
ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ/one, two, three, four

また、たった(御立派)/Get up, get on up
まだまだ元気(御立派)/Stay on the scene
まるで性の機械(御立派)/Like a sex machine

また、たった(御立派)/Get up, get on up まだまだ元気(御立派)/Stay on the scene
まるで性の機械(御立派)/Like a sex machine ちょっと待った!/Wait a minute

腕を振って 手を使って/Shake your arm, Use your palm
まだまだ元気 まるで性の機械/Stay on the scene, Like a sex machine
体を燃やせ 野生の本能/You’ve got to have the feelin’ Sure as you’re born
ガツンとやろう いいぞ いいぞ/And get it together, Right on, right on.