ブラジル音頭/殿様キングス

毎年夏になると、今年こそはボサノバが来るぞ、と思いつつ全然来ません。ボサノバのルーツと云えるサンバも今一つかと思いきや、浅草のサンバカーニバルのお蔭か、リオ五輪の影響か、サンバは以前よりは盛り上がっているような気がします。

そんな事とは全く関係なく、何故か、サンバと音頭を無理やりくっつけ、タイトルも「ブラジル音頭」とした安直さが非常に心地よいです。歌はサンバなのに全く無視して、いつも通り、おさむちゃんがこぶしまくっているので、安心して聞けます。最近は盆踊りに浴衣姿のワカイシが増えているそうで、陽気で調子の良いこの曲はリバイバルするかも知れません。

トホホ度 ★★★☆
お笑い度 ★★★
意味不明度 ★★★

いとしのすっとこどっこい/青江美奈

この歌は以前のブログに取り上げましたが、そのブログが破壊され、復刻も出来ませんでした。しかし、この名曲を埋もれたままにするのは勿体ないので、再び取り上げます。

写真でも分かるようにCDシングルで写真も上手く、色っぽく撮れています。(何処に修正が入ってっているかは分かりません。)

青江三奈といえば「伊勢佐木町ブルース」のハスキーな歌声がウリですが、ああいう歌謡曲の外にジャズもかなり歌っています。この曲はジャズのバラードを意識した作りですが「すっとこどっこい」とは良いタイトルを付けたものです。

歌詞の中に「タウンページを広げて閉じて、どこに電話するやら」とあり、少々時代を感じます。電話帳をひっくり返してピンクの電話に十円玉をジャリジャリ入れてウジウジと話してた頃が懐かしい感じがします。

トホホ度 ★★☆
お笑い度 ★★☆
意味不明度 ★★

茅ヶ崎心中/藤竜也

藤竜也を始めて認識したのは「時間ですよ」に毎回出てくる篠ひろ子の居酒屋。カウンターの隅でいつも何も言わずサングラス姿で飲んでいて、篠ひろ子ママと何かありそうな無さそうな雰囲気を醸し出していました。後の「愛のコリーダ」で一躍有名になりましたが、それまでは大部屋的なヤクザ、チンピラ役が多かったようです。

このEPは何と言っても横尾忠則のジャケットが素晴らしい。「茅ヶ崎心中」という大仰なタイトルがついてますが、これが返って横尾忠則のヤル気を出させたのか、イメージピッタリのジャケットになっています。

歌は上手いとは言えませんが、語りをどう評価するか難しいところです。語りの冒頭「心をあわせると書いて心中と申します。」と言ってますが「中」を新漢語林を引いてみると字義として「あたる」、「あてる」とあるので、この事を言っているようです。ちょっと無理があるような気がしますが如何でしょう?但し、用例には「心中」は載っていました。全般的に歌に比べて語りは上手いような気がします。途中「女が、女が笑っています。」の処はすこしゾクッと来ました。

トホホ度 ★★★
お笑い度 ★★☆
意味不明度 ★★★

朝の蝶/鶴岡雅義と東京ロマンチカ

この歌は鶴岡雅義と東京ロマンチカが歌ってますが、ボーカルは三条正人では無く、縣浩也(あがたひろや)という人だそうです。そのせいか、曲調は敏いとうとハッピーアンドブルーという感じです。鶴岡雅義お得意のレキントギターのソロもありません。

歌詞は軽いリズムに乗ってさらっと流れていきますが、突っ込みどころ満載です。
「朝の蝶だと私を抱いた 広い背中が鏡に映る」<—鏡張りの部屋に居るようです。
「掘れても~惚れてもないのに、男ってあんなに激しくなれるのね」<—御意

夜の蝶はどこの盛り場でも毎夜遊弋していますが、朝の蝶というのは初めてその生態が確認されたようです。この歌はカラオケで無く、最近息を吹き返してきたスナックのカウンターで新入りの娘をチラ見しながらニヤニヤ顔で歌うのにピッタリな歌ではないでしょうか。

トホホ度 ★★★☆
お笑い度 ★★★
意味不明度 ★★

もてたつもりの数え唄/梅宮辰夫

最近、人生に「モテ期」が3度ある、と聞くが、本当にそうか?自分に果たしてモテ期があったのか、と考えてみるに、特に思い当たる処が無い。しかし「モテたつもり期」なら確かにあったと思う。「モテたつもり期」とは要するに手玉に取られた時期。これは古今東西何処にでもあるんだろうが、古今亭志ん生は落語の廓話のマクラとしてこんな話をしている。

一人の芸者が並んだお膳の前で3人の客を相手する。左の客の膝に手を置きながら真ん中の客に酌をし、その時に右の客の目を見てにこりと笑う。左の男は「俺の身体に触っているのは、もしかしてだけど俺に抱かれたいのか?」真ん中の客は「まず俺に酌をしてくれるのは俺に惚れている証拠だ」右の客は「芸者だから、色々営業は大変だろうが、俺の顔を見て愛想を振りまくからには俺が本命だ」これで3人がコロリと参ってしまう。手練の芸者にしてみれば簡単なもんだろう。

この歌は将に「もてたつもり」を歌にし、浜口庫之助が上手くメロディを付けているが、もう少し歌詞に工夫が欲しかった気もする。梅宮辰夫の歌は上手いとは言えないが、ミョーな台詞が入ることもあり、トホホ度は満点を献上しました。彼の歌で一番の傑作はこのブログでも紹介した「シンボル・ロック」(2017.3.7)であるが、本作も高く評価したい。

トホホ度 ★★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★★

ひょっこりひょうたん島/夏木マリ

夏木マリ氏は「もお~いや、絹の靴下は、高いわりにはすぐいっちゃう」とお色気十分な歌とクネクネで一世を風靡してましたが、こんなのも歌っているんです。

このアルバムは高度成長期のヒット曲のカバー集です。しかし、聞いてみると何だか分かったような分からない編曲です。バックは実に気持ちよく演奏しているようですが、肝心の夏木マリのボーカルに寄り添う気配は微塵もなく、ただひたすら勝手に動いていくという感じです。多分、彼女はかなり歌いにくかったのではないでしょうか。

珍盤・奇盤に分類しては申し訳ないという気もしますが、今後このような曲は二度と現れないだろうという事で、評価してみました。

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★

嘆きのボイン/月亭可朝

今朝の朝刊によれば月亭可朝さんが3月28日にお亡くなりになったそうです。享年80。コテコテの関西人だと思ってましたが、記事によれば生まれは神奈川県だうそうです。

月亭可朝は言うまでも無く落語家です。が、彼の落語をTVで聞いたことはあるんですが殆ど覚えてません。参院選に出て二度落選、ストーカー等々話題は色々ありますが、やは可朝といえばこの歌でしょう。歌もさることながら、このジャケット写真で堂々とレコード店で売られていた訳で、今ではとっても無理でしょう。

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★★

呪い/山崎ハコ

今年は寒い寒いと思っているうちに急に暖かくなって意外にも桜が早く咲き、4月に入って既に会社の前は葉桜になってしまいました。今日も暖かい好天で新入社員と思しき若者が街をウロウロしています。自分の新入社員当時を思い出し「散る花や 昭和は 遠くになりにけり」という心情です。

こんな明るい気分のこの時期に何故かこの歌を思い出してしまいました。要するに藁人形に釘を打っている訳ですが、「釘を打つ」と言わずに「釘を刺す」としてあるところに凄味があります。歌詞は結構きついのですが、歌い方は割とサラッとしているので、何とか聞けるという感じです。一応、カテゴリは珍盤・奇盤としてみましたが、採点のしようがありません。こんな歌が発売された昭和というのは本当に良い時代でした。
 

トホホ度
お笑い度
意味不明度

わたし今夜もイライラよ/五月みどり

山下達郎がサンデーソングブックの珍盤奇盤特集や邦楽特集で遠藤実という作曲家の偉大さを語っていたのを覚えています。その時はすぐに腑に落ちなかったkれども、考えてみれば山本リンダの「こまっちゃうな」を作曲したというだけでも偉大な功績だと納得させられるものがある。

この歌は遠藤実御大が作曲のみならず、作詞までしたという力の入れよう。テツマンとかチューリップなどという懐かしい昭和の語彙とヤンヤホッホ、ヤンヤホッホという平成の作詞家では絶対に真似の出来ない掛け声。これに五月みどりのパーソナリティが相まってかなり出来の良いトホホな曲に仕上がっています。

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★★

雪子のロック/藤健次

昨日発売のブルータス2月15日号は「山下達郎サンデー・ソングブック25周年記念」と題して山下達郎のこれまでのサンデー・ソングブックで掛かった曲や作曲家、プロデューサーが細かく解説されており、貴重な資料になっています。

この中でやはり「珍盤・奇盤」が紹介されています。私が珍盤・奇盤を集め始めたのは「このブログの由来」にもありますように2001年の珍盤・奇盤特集を聞いてからでした。それから、それらの曲を全て集め始めたのですが「雪子のロック」にはてこずりました。

歌っているのは藤健次という歌手で元々は高倉一志という名前でスリー・ファンキーズに居たそうです。脱退後藤健次と名前を変えてこの曲を吹き込んでいます。しかし、この曲には訳分からん経緯があり、32秒しかありません。元歌を途中でカットし、誰かが最後の部分に効果音をくっ付けたらしいんです。私は原曲を聞いた事は無いんですが、聞いた方の話によるとなんとなく流れるどうといった事のないバラード風の歌謡曲らしいです。

本誌によると、これを始めて聞いた山下氏は文字通り笑い転げ、早速番組で取り上げたそうです。自分もその番組で聞いた時はかなり激しくたまげましたが、今聞いてみるとそうでもないような気がします。あれから20年弱を経過し、私の純な心情が汚れ、鈍麻してしまったのでしょうか?

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★☆
意味不明度 ★★★★☆

<2018.02.05 追記>
雪子のロックのオリジナルを入手しました。色々叫んだりなんかして、それなりに聞けます。しかし、一体どこがロックなんだ、と突っ込みたくなります。