おーわだばく/野沢直子

野沢直子氏は毎年8月になるとニューヨークから帰国し、あちこちのTVで出稼ぎして帰るのが恒例行事になっています。今年も例年通り帰国して、大騒ぎして帰って行きました。彼女はなんだかわからない系の芸人としては随一で、ワハハ本舗の久本雅美の上を行ってるような気がします。

この歌は「はなぢ」というCDの中の曲でシングルカットはされていませんが、中々強力な逸品です。お聞きの通り(野沢直子作詞)最初は「ばくばくばくばく、おーわだばく」と叫んでいるだけですが、その後、大村崑、最後に菅井きんが出てきます。この三人がなぜ出てくるのかは不明ですが、三人とも名前が二文字である事だけが共通しています。

採点としては久々の高得点です。特に意味不明度は満点を献上しました。これからも、どんどん意味不明の歌を歌ってほしいものです。健闘を祈ります。

トホホ度 ★★★★☆
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★★★★

So long Paul / Werbley Finster

ポール・マッカートニーが再来日するという話を聞いて、ふと想い出した。もう覚えている人は少ないかもしれないが、昔ポールマッカートニーが死んだというデマが流れた事がある。ネットで検索してみると過去の新聞記事や雑誌が出てきた。記事によると1969年10月12日、デトロイトのDJが突然ポールは死んでいた、と放送しそのニュースは瞬く間に世界中を駆け巡った。記事によるとポールは1966年に自動車事故で死亡しており、その後はポールにそっくりのWilliam Campbellという人がポールを演じていたという。

このニュースを聞いて世界中からアップル本社に電話が入り、アップルのスポークスマンは当然否定して一応騒ぎは収まったようであるが、その後も所謂都市伝説のようなものが捏造されている。

この騒ぎに乗じて色々とポールを追悼する曲(便乗商法?)がでたが、”So long Paul”もその一つである。作曲は盲目の歌手/ギタリストのホセ・フェリシアーノ。歌っているウァーバリー・フィンスターは誰なのか分からなかったが後にこれはホセ・フェリシアーノ本人の偽名だという事が判明した。しかし、今時と違って、偽名を使ったからと言って、それをとやかく云う人は居なかったと思う。

I heard the radio the other day.
僕は先日ラジオを聞いた
I heard something that blew my mind.
僕は何か僕の心はぶっ飛ばされるものを聞いた
It was something that I didn’t even believe at all.
それは何か僕が全然信じられないものだった
The news concerned itself with a young man everybody knows.
それは誰もが知っている若者に関するニュースだった
And they said that he went running, taking off his clothes.
そして彼らは彼は走って行って服を脱いだと言った

And I said, now, so long Paul, we hate to see you go,
そして私は今、さよならポール、僕たちはあなたが行くのを見るのはいやだと言った
So long Paul after making all that dough.
大量の金を作った後のポールにさよなら
So long Paul, we hate to see you go,
さよならポール、僕たちはあなたが行くのを見るのはいやだ
So long Paul after making all that dough.
大量の金を作った後のポールにさよなら

All the girls are crying because they think that Paul is gone.
全ての少女は彼女たちはポールが死んだと思って泣いている
I was over in England and I know that that’s not true.
僕はイギリス中でそれは真実では無いと知った
They may tell you anything that they  want.
彼らはあなたに彼らが欲した何かを告げるかもしれない
But let me tell you, darling, everything gonna be all right.
でも、君に云いたい、全ては上手くいっている

Well, I know and I believe that it’s all right.
さて、僕はそれはOKだと信じている
‘Cause I think that Paul had himself a hard day’s night
僕はポールが辛い日の夜を過ごしたと思っているから
I tell you.  I’m gonna preach it all over the land.
僕は言う僕はそれを国中に説くつもり
‘Cause I can tell you now, Paul’s gonna hold your hand.
僕は今君に言う事ができるから、ポールは君の手を握ってくれるだろう

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★☆
意味不明度 ★★★★

わしらの夢は夜ひらく/三波伸介とてんぷくトリオ

8月2日は赤塚不二夫の命日でした。タモリの白紙の弔辞からはや10年。これを記念してという訳ではないでしょうが、娘のりえ子原作の「バカボンのパパよりバカなパパ 」が玉山鉄二の主演でドラマ化されました。ドラマは原作者が娘だからか、既にフジオプロが活動を始めているところから始まり、最後は入院して亡くなるまでを描いています。

赤塚不二夫はドラマにあったように非常に家族や部下を思いやり、気を遣う性格で「半分青い」で豊川悦治演じるところの秋風羽織のように何とかアシスタントを独立させてやろうと努力する人でした。担当編集者によれば、赤塚不二夫がアシスタントを独立させようとしているのを見て、長年のブレーン役であった長谷邦夫がアシスタント不足になると赤塚不二夫に忠告しても「ぼくが頑張ればいいのだ」と意に介さなかったそうです。TVでは病名は明らかにしていませんでしたが、赤塚不二夫は晩年、強度のアル中となり、自書のアル中闘病記を読むとその幻覚・幻聴体験は恐ろしいほどでした。余談ですが赤塚不二夫と手塚治虫の双方を担当した経験のある編集者は手塚治虫は赤塚とは真逆の性格であったと記しています。

ドラマはバカボンのパパがメインでしたので今回はバカ田大学に縁のある三波伸介とてんぷくトリオの歌にしてみました。藤圭子の「夢は夜ひらく」のパロディですが、もう少し歌詞を工夫して欲しかったところです。しかし今は亡き三波伸介と戸塚睦夫の声が懐かしいです。赤塚不二夫関連の曲はかなりありますが、どれも赤塚不二夫の人柄に惹かれて集まった人達の彼に対する暖かい気持ちが現れているように聞こえます。この辺が手塚治虫と違うところなんでしょう。

トホホ度 ★★★☆
お笑い度 ★★★
意味不明度 ★★★

温度音頭/三波春夫

毎日暑い日が続いていますが皆様如何お過ごしでしょうか。ここのところTVを見ていると今日は何処そこが39度、いやこちらは40度超えと朝から晩まで温度、温度で大騒ぎ。

やはりここは大御所三波春夫先生に御登場頂きましょう。由緒正しい「温度音頭」です。三波春夫大先生の御歌ですから、温度と音頭を掛けて受けを狙うというような下賤な考えは毛頭ありません。この歌を覚えて適正な温度というものを学んでいきましょう。

処で2020年の東京五輪マスコットの名前が「ミライトワ」と「ソメイティ」に決まったそうですが、何のこってすか、全く意味不明。こんな下らん事に係わってる暇があったら、早急に新しい東京五輪音頭の制作を進めるべきでしょう。一体東京五輪組織委員会は何を考えているのでしょうか?職務怠慢の誹りをまぬがれません。

言うまでも無く、1964年の五輪では三波春夫先生の「東京五輪音頭」という名曲が生まれました。今考えてみるとシベリア抑留で死線を彷徨った苦労はおくびにも出さず満面の笑みで歌いあげる三波春夫は今風に言えば本当のイケメンでありました。

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★
意味不明度 ★★★

ブラジル音頭/殿様キングス

毎年夏になると、今年こそはボサノバが来るぞ、と思いつつ全然来ません。ボサノバのルーツと云えるサンバも今一つかと思いきや、浅草のサンバカーニバルのお蔭か、リオ五輪の影響か、サンバは以前よりは盛り上がっているような気がします。

そんな事とは全く関係なく、何故か、サンバと音頭を無理やりくっつけ、タイトルも「ブラジル音頭」とした安直さが非常に心地よいです。歌はサンバなのに全く無視して、いつも通り、おさむちゃんがこぶしまくっているので、安心して聞けます。最近は盆踊りに浴衣姿のワカイシが増えているそうで、陽気で調子の良いこの曲はリバイバルするかも知れません。

トホホ度 ★★★☆
お笑い度 ★★★
意味不明度 ★★★

いとしのすっとこどっこい/青江美奈

この歌は以前のブログに取り上げましたが、そのブログが破壊され、復刻も出来ませんでした。しかし、この名曲を埋もれたままにするのは勿体ないので、再び取り上げます。

写真でも分かるようにCDシングルで写真も上手く、色っぽく撮れています。(何処に修正が入ってっているかは分かりません。)

青江三奈といえば「伊勢佐木町ブルース」のハスキーな歌声がウリですが、ああいう歌謡曲の外にジャズもかなり歌っています。この曲はジャズのバラードを意識した作りですが「すっとこどっこい」とは良いタイトルを付けたものです。

歌詞の中に「タウンページを広げて閉じて、どこに電話するやら」とあり、少々時代を感じます。電話帳をひっくり返してピンクの電話に十円玉をジャリジャリ入れてウジウジと話してた頃が懐かしい感じがします。

トホホ度 ★★☆
お笑い度 ★★☆
意味不明度 ★★

茅ヶ崎心中/藤竜也

藤竜也を始めて認識したのは「時間ですよ」に毎回出てくる篠ひろ子の居酒屋。カウンターの隅でいつも何も言わずサングラス姿で飲んでいて、篠ひろ子ママと何かありそうな無さそうな雰囲気を醸し出していました。後の「愛のコリーダ」で一躍有名になりましたが、それまでは大部屋的なヤクザ、チンピラ役が多かったようです。

このEPは何と言っても横尾忠則のジャケットが素晴らしい。「茅ヶ崎心中」という大仰なタイトルがついてますが、これが返って横尾忠則のヤル気を出させたのか、イメージピッタリのジャケットになっています。

歌は上手いとは言えませんが、語りをどう評価するか難しいところです。語りの冒頭「心をあわせると書いて心中と申します。」と言ってますが「中」を新漢語林を引いてみると字義として「あたる」、「あてる」とあるので、この事を言っているようです。ちょっと無理があるような気がしますが如何でしょう?但し、用例には「心中」は載っていました。全般的に歌に比べて語りは上手いような気がします。途中「女が、女が笑っています。」の処はすこしゾクッと来ました。

トホホ度 ★★★
お笑い度 ★★☆
意味不明度 ★★★

朝の蝶/鶴岡雅義と東京ロマンチカ

この歌は鶴岡雅義と東京ロマンチカが歌ってますが、ボーカルは三条正人では無く、縣浩也(あがたひろや)という人だそうです。そのせいか、曲調は敏いとうとハッピーアンドブルーという感じです。鶴岡雅義お得意のレキントギターのソロもありません。

歌詞は軽いリズムに乗ってさらっと流れていきますが、突っ込みどころ満載です。
「朝の蝶だと私を抱いた 広い背中が鏡に映る」<—鏡張りの部屋に居るようです。
「掘れても~惚れてもないのに、男ってあんなに激しくなれるのね」<—御意

夜の蝶はどこの盛り場でも毎夜遊弋していますが、朝の蝶というのは初めてその生態が確認されたようです。この歌はカラオケで無く、最近息を吹き返してきたスナックのカウンターで新入りの娘をチラ見しながらニヤニヤ顔で歌うのにピッタリな歌ではないでしょうか。

トホホ度 ★★★☆
お笑い度 ★★★
意味不明度 ★★

もてたつもりの数え唄/梅宮辰夫

最近、人生に「モテ期」が3度ある、と聞くが、本当にそうか?自分に果たしてモテ期があったのか、と考えてみるに、特に思い当たる処が無い。しかし「モテたつもり期」なら確かにあったと思う。「モテたつもり期」とは要するに手玉に取られた時期。これは古今東西何処にでもあるんだろうが、古今亭志ん生は落語の廓話のマクラとしてこんな話をしている。

一人の芸者が並んだお膳の前で3人の客を相手する。左の客の膝に手を置きながら真ん中の客に酌をし、その時に右の客の目を見てにこりと笑う。左の男は「俺の身体に触っているのは、もしかしてだけど俺に抱かれたいのか?」真ん中の客は「まず俺に酌をしてくれるのは俺に惚れている証拠だ」右の客は「芸者だから、色々営業は大変だろうが、俺の顔を見て愛想を振りまくからには俺が本命だ」これで3人がコロリと参ってしまう。手練の芸者にしてみれば簡単なもんだろう。

この歌は将に「もてたつもり」を歌にし、浜口庫之助が上手くメロディを付けているが、もう少し歌詞に工夫が欲しかった気もする。梅宮辰夫の歌は上手いとは言えないが、ミョーな台詞が入ることもあり、トホホ度は満点を献上しました。彼の歌で一番の傑作はこのブログでも紹介した「シンボル・ロック」(2017.3.7)であるが、本作も高く評価したい。

トホホ度 ★★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★★

ひょっこりひょうたん島/夏木マリ

夏木マリ氏は「もお~いや、絹の靴下は、高いわりにはすぐいっちゃう」とお色気十分な歌とクネクネで一世を風靡してましたが、こんなのも歌っているんです。

このアルバムは高度成長期のヒット曲のカバー集です。しかし、聞いてみると何だか分かったような分からない編曲です。バックは実に気持ちよく演奏しているようですが、肝心の夏木マリのボーカルに寄り添う気配は微塵もなく、ただひたすら勝手に動いていくという感じです。多分、彼女はかなり歌いにくかったのではないでしょうか。

珍盤・奇盤に分類しては申し訳ないという気もしますが、今後このような曲は二度と現れないだろうという事で、評価してみました。

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★