京都のおねだん/大野裕之著

最近京都を題材に採った書籍が色々でているが、これは最近でた本で、他の京都本のように京都独特の風俗・習慣を扱いながら、類書にあまり出てこないおねだんを詳らかにしている。

チャップリンが泊まったという、麩屋町御池の柊屋旅館のお値段とか、地蔵盆の時のお地蔵さんレンタル料とか具体的な値段が紹介されている。

しかし、京都のお値段として一番謎であり、一番知りたいのは舞妓・芸妓を揚げて遊んだ時のお値段であろう。

この謎を解明すべく筆者は自腹で取材を敢行。勿論一見では無理なので紹介者を探し、その人の縁で取材が実現した。事前にお茶屋に値段の探りを入れたが、紹介者による、とか、お茶屋によると思います、とかいう返答ばかりで要領を得ず。 

六時頃、筆者と紹介者が現場に到着すると程なくして舞妓さん、芸妓さん、地方さん(三味線)が到着し宴会スタート。仕出しの京懐石で水菓子までのフルコース。お酒もたらふく飲み、踊りやお遊びで、お開きは十二時。 後に送られてきた御祝儀込みの請求書の実物写真が載っている。

一応明細はあるが意味が良く分らず、女将に無理に頼んで説明して貰った。仔細に検討してみると、今回はかなり安く上がっているようで、これも紹介者のお陰だそうである。私としては値段の見こみも判然としない状況で突撃した筆者の勇気を讃えると共に本書の印税で取材費が回収されることを祈るのみである。

尚、今年一月に「京女の嘘」 井上章一著(PHP新書)というのが出ているが、これは看板に偽り有。本屋で最初の数頁だけ立読みして買うと後悔必至。