Release Me / Engelbert Humperdinck

今週日曜日の山下達郎サンデーソングブックで2回目のグレン・キャンベル特集を聞く事ができました。山下達郎もカントリー&ウェスタンは米国中西部の田舎に住む共和党支持者、すなわちトランプ支持者にファンが多いと言ってました。

エンゲルベルト・フンパーディングは英国人ですので、「リリース・ミー」はカントリー&ウェスタンとは言えませんが、カントリー風味満点のスタンダード曲になっています。

前にも言ったようにカントリー&ウェスタン系の歌は男目線の歌詞が多く、この歌も結構凄いです。相手が恋人か妻かは分かりませんが、もうお前を愛していないから自由にさせてくれと言ってます。極め付は「彼女の唇は暖かいが君のは冷たい」。ここで言う彼女は新しい恋の相手です。今時こんな歌詞を書く作詞家が居たら、ネットで袋叩きにの目にあってるかもしれません。しかし、この歌は英国で大ヒットし、そのお陰でビートルズが1位を取れなかった事もあります。

Please release me, let me go
僕を解放して、行かせてくれ
For I don’t love you anymore
僕はもう君を愛していないから
To waste our lives would be a sin
僕たちの人生を無駄にすることは罪だ
Release me and let me love again
開放して、もう一度恋をさせてくれ

I have found a new love, dear
僕は新しい恋を見つけたんだよ
And I will always want her near
そして、僕はいつも彼女が側に居て欲しい
Her lips are warm while yours are cold
彼女の唇は暖かい、でも君のは冷たい
Release me, my darling, let me go
君よ、僕を解放して行かせてくれ

(Please release me, let me go)
(お願いだから僕を解放して、行かせてくれ)
For I don’t love you anymore
僕はもう君を愛していないから
(To waste my life would be a sin)
私の人生を無駄にする事は罪だ
So release me and let me love again
だから、僕を解放してもう一度恋さえてくれ

Please release me, can’t you see
御願いだから僕を解放してくれ、分らないのかい?
You’d be a fool to cling to me
君が僕にしがみつくのは愚かな事だ
To live our lives would bring us pain
僕たちの人生を生きるのは僕たちに苦痛をもたらす
So release me and let me love again
だから、お願いだ僕を解放して、もう一度恋をさせてくれ
(Let me love, let me love)
恋をさせてくれ、恋をさせてくれ

September Song / Bing Crosby

朝、寝惚けてラジオを聴いていたら9月という事もあり ”September Song” が流れてきた。これがボケている脳を刺激し、何だったっけか、、と考えているうちにWoody Allenの映画 “Radio Days”の挿入歌だという事を思い出しました。ついでに、この歌が画面に良くマッチしていると感じた事まで出てきました。忘れてた記憶がふとしたきっかけで蘇るという事は良くあるようです。

歌っているのはビング・クロスビーです。サビから歌いだしてるので歌詞の意味が分かりにくいですが、これ以上深入りしません。映画に挿入されたのはWalter Houstonというカナダ人の歌です(どういう人か良く分りません)。後年フランク・シナトラも吹き込んでいますが、米人の評論家によればビング・クロスビーの方が出来が良いと言っています。

Woddy Allenはこの曲が事の外お気に入りのようで、彼のインタビューを纏めた “Woody Allen on Woody Allen”というペーパーバックの中に “Allen has stated that the song may be the best American popular song ever written.”(アレン曰く 、この歌がこれまで書かれた最も素晴らしいアメリカのポピュラーソングだろうと。)という件があるそうです。

Oh, it’s a long, long while from May to December
ああ、5月から12月はとても長い。

But the days grow short when you reach September
でも、9月になれば日は短くなる。

When the autumn weather turns the leaves to flame
秋の気候が木の葉を燃えさせる時

One hasn’t got time for the waiting game
もう、待機している時間は無い

Oh, the days dwindle down to a precious few
ああ、日々は徐々に極めて少なくなっていく

September, November
9月、11月
And these few precious days I’ll spend with you
そして、これからの極めて少ない日々をあなたと過ごしたい

These precious days I’ll spend with you
これからの極めて少ない日々をあなたと過ごしたい

 

Radio Days Sound Track:

By The Time I Get To Phoenix / Glen Campbell

山下達郎のサンデー・ソングブックを毎週録音して聞いています。今週の番組の最後に、来週はグレン・キャンベルでもやるか、どうしようか、、等と言っているのを聞いて、ふと思い出しました。彼は今年の8月に亡くなっています。しかし、グレン・キャンベル追悼とか、特集とかが無かったような気がします。

この曲はジム・ウェッブの作曲で、彼らしいスッキリした覚えやすいメロディに好感を持てます。近年、日本ではカントリー&ウェスタン(C&W)が余り人気が無いのですが、米本国では根強い人気があります。謂わばアメリカ人の演歌というところでしょうか。

C&Wは牧場で牛を追う強い男のイメージが底流にあるからか、男性中心、女が泣いてお終い、という男尊女卑的な歌詞が多いです。それでも全米でヒットするのは(都会住まいでない)アメリカの女性は意外にこういう強い男を求めているのではないでしょうか。これが根強いトランプ支持に繋がるものがあるような気がします。

By the time I get to Phoenix she’ll be rising
俺がフェニックスに着く頃,彼女は起きているだろう。
She’ll find the note I left hangin’ on her door
彼女はドアに貼ってあるメモに気が付くだろう。
She’ll laugh when she reads the part that says I’m leavin’
彼女はメモの中の「出て行く」って部分を読んで笑ってるだろう。
‘Cause I’ve left that girl so many times before
だって以前何度も,この娘から離れたことがあるから。

By the time I make Albuquerque she’ll be working
俺がアルバカーキに着く頃,彼女は仕事をしてるだろう。
She’ll probably stop at lunch and give me a call
彼女は多分昼飯時に仕事を止め,俺に電話する。
But she’ll just hear that phone keep on ringin’ off the wall that’s all
しかし、彼女は,壁の受話器の呼出し音が鳴り続けるのを聞く、それだけさ。

By the time I make Oklahoma she’ll be sleepin’
俺がオクラホマに着く頃,彼女は寝ているだろう。
She’ll turn softly and call my name out loud
彼女はゆっくり寝返り打って,大声で俺の名前を呼ぶだろう。
And she’ll cry just to think I’d really leave her
そして彼女は俺が本当に出て行ったと思っただけで、泣き出すだろう。
Though time and time I try to tell her so
俺は今まで事あるごとにそう言って来た。
She just didn’t know I would really go
彼女は俺が本当に出て行くなんて知らなかった。

King of 52nd Street / Melody Gardot

今年はチャーリー・パーカー没後62年で、これを記念して彼のヒット曲を新アレンジで色々な歌手が歌うという面白い趣向のアルバムが6月央に発売されました。(没後60年記念の予定が遅れて62年になってしまったようです。)私の好きなメロディー・ガルド―が入ってる事もあり軽い気持ちで買ってみましたが、これが予想外の曲者でした。

プロデューサーのラリー・クライン(この人は元妻がジョニ・ミッチェル、現妻がルシアナ・ソウザ)の解説によれば、このアルバムの12曲全体でチャーリー・パーカーの生涯を描く、言わばミュージカル仕立てになっているそうです。セントルイスで生まれ、ニューヨークでビバップの開祖と言われて大評判を取り、カリフォルニア移住、欧州公演とそれぞれの場面をチャーリー・パーカー作曲に歌詞を付け、それぞれ新進気鋭のジャズメンとボーカリストが「今」のジャズに仕上げています。

ラリー・クラインは、もしチャーリー・パーカーが今生きていたら、こんな演奏をしただろう、というコンセプトで編曲したそうです。よって、昔のビバップのようにシンバルでチーンチッキ、チーンチッキと拍子を取るシンバル・レガートはありません。また、チャーリー・パーカーの楽器であるアルト・サックスが全く出てこないというのも、かなりの冒険です。この大胆な企画で、これまでのチャーリー・パーカー トリビュートとは全く違ったアルバムが出来上がりました。

12曲をそれぞれ違うボーカリストが歌っていますが、メロディー・ガルド―が歌う”King of 52nd Street”はマンハッタン52通りにあったジャズクラブ「バードランド」で活躍したパーカーを偲んだ曲。もちろん店名は彼のニックネームである「バード」に因んでいます。原曲は”Scrapple From The Apple”で、オリジナル録音(1947年ダイヤル盤)もリンクしておきます。

メロディーガルド―のボーカルは軽やかなさえずり感と同時に漂う妖しさが彼女特有の雰囲気を醸し出しています。ただ自分の頭が固いせいか、パーカーが今生きていたら、というラリー・クラインの制作意図が、すんなり腑に落ちませんでした。最初に彼のインタビューを読まなければ素直に聞けたのかもしれません。

元歌となったScrapple From The Appleのオリジナル(ダイヤル1021)

How insensitive / Frank Sinatra + Antonio Carlos Jobim

最近はかつての名作が次々と復刻CD化され、しかもかなり安い値段で販売されています。先日、そんな中からアントニオ・カルロス・ジョビンの遺作である”Antonio Brasilero”を買ってみました。実は買う前には知らなかったのですが、このアルバムにはスティングが客演し”How Insensitive”を歌っています。

このスティングの歌を聞いてフランク・シナトラとアントニオ・カルロス・ジョビンの共演を思い出しました。二人はリプリーズに20曲録音しており、ジャケ写のアルバムにはその内、クラウス・オガーマンのアレンジによる10曲が収められています。このCDでも”How Insensitive”が歌われており聞き比べてしまいます。勿論スティングの歌も素晴らしいのですが、何と言ってもクラウス・オガーマンのアレンジが素晴らしく、どちらかと言えばシナトラに軍配でしょう。

オガーマンは私の最も好きなアレンジャーで最盛期には彼がアレンジすればレコードが売れるという事で依頼が殺到し、飛行機の中でも書いていたそうです。ダイアン・クラールはオガーマンからこの譜面を借りてアレンジの勉強をしたと言っていました。

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Make It Easy On Yourself / Walker Brothers

先週の山下達郎サンデー・ソングブックで久々にこの歌が聞けました。(邦題:涙でさようなら)いつ聞いても良い曲です。

The Waker Brothers は日本でも”In My Room” (孤独の太陽)や”Land of a Thousand Dances” (ダンス天国)”The Sun Ain’t Gonna Shine Anymore”(太陽はもう輝かない)等々のヒットで覚えている方も多いと思います。この曲はバート・バカラックの作曲でジェリー・バトラーのカバーですが原曲より数段良い出来だと思います。

リードボーカルのスコット・ウォーカー(ジャケ写中央)はウォーカー・ブラザース解散後本名であるスコット・エンゲルに改名しソロ活動を開始しました。その頃、ミュージック・ライフという雑誌にスコット・エンゲルの顔がアップになっている一頁の白黒グラビアがあり、その写真を見てカッコエエーと思ったと同時に何かそれ以上のものを感じた事を未だに覚えています。三島由紀夫は「聖セバスティアヌス」という、半裸のマッチョが木に縛り付けられ弓矢で撃たれている絵を見て初めて精通したと仮面の告白に書いています。勿論私の場合はそんな大仰なものではありませんが、それを読んだ時、妙に納得した覚えがあります。

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Kiss And Say Goodbye / Manhattans

毎日のようにデートを重ねて来た彼女に別れを告げなければならない時が来た。彼にはobligation(義務)がある。この義務とは兵役でしょう。

ただ、キスして別れよう。歩き始めたら振り返っちゃ駄目だ。そして、誰か素敵な彼氏を見つけてくれ。

映画の一場面のような情景が浮かんできます。こういうテーマの曲は日本にはありませんが、マンハッタンズの語りと甘い歌声が余計に悲しい状況を増幅しているような気がします。

良く出てくる I miss you という表現は日本語には訳しにくいです。失敗するとか外すとかいう意味でよく使われますが、語感としては本来あるべき所にあるべきものが無いという感じだと思います。ここに君が居る筈なのに、いない。よって寂しいという訳になるんでしょう。

しかし、戦争に行っても必ず元気な姿で戻ってくるから、いつまでも僕を待っていてくれ、というのか、この歌のように、もうどうなるか分からないから誰か良い人を見つけて幸せになってくれというのか?答が出る問題ではありませんが、誠に切ない問いです。尚、邦題は「涙のキッス」です。

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Let the good times roll / Kalaeloa

毎週土曜日午前8時から10時まで、INTER FM897で”iHeart Hawaii”という番組が放送されています。DJは南美布という女性で、時折現地DJの声も入ります。

この番組はハワイの現状をかなり細かく伝えてくれており、アラモアナセンタでバーゲンが始まったとか、ワイキキのどこかに新しいパンケーキ屋さんが出来て、行ってみた、とか、聞いていると自分がワイキキに居るような錯覚に陥ります。

我々ハワイアンというとアロハ・オエとかカイマナヒラとかを思い出しますが、こういう古典的ハワイアンとは別に今のハワイ音楽を聞く機会は意外に少ないようです。この番組は当然今のハワイアンを聞かせる訳ですが、聞いているとハワイアンとレゲエを混ぜたような歌が多く、これが何ともユルイ雰囲気になり、聞いていてボーットしてしまいます。良い感じなんですが、やはりハワイとジャマイカの混合では少々違和感も感じます。

このKalaeloaの歌にはレゲエ風味は無く、もっとも真っ当に進化したハワイアンという感じがします。ギターとウクレレという組み合わせがハワイらしく、沖縄でギターと三線のバンドがいるのと同じ感覚でしょうか。全体的に乗りやすい仕上がりで、歌詞も能天気型で楽に楽しめます。
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Me and Mrs. Jones / Billy Paul

フィラデルフィアのフィリーサウンドの名プロデューサであるギャンブル&ハフとの共同作業でこの曲が全米NO.1ヒットとなり、グラミー賞も受賞しました。アルバムタイトルは”360 degrees of Billy Paul”でそのせいか、ビリー・ポールはキョロキョロしています。余り良いデザインとは思えませんね。しかし、このアルバムからシングルカットされたこの曲はとても素晴らしいと思いませんか。

彼女のことをMrs. Jonesと呼んでいる事から、Meの僕ちゃんの方が年下でしょう。工場の仕事が5時に終わったら、焦って家に帰り、シャワーを浴び、シャツを着替えていつものカフェに6時半。いけない事とは知りながら、今日も明日もこのカフェで逢う二人。何となく映像が見えてきそうな気がします。

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Frim Fram Sauce / Nat King Cole

nat_king_cole.jpgナットキングコールは1965年45歳の若さで亡くなり、その娘のナタリーコールも2015年に65歳で亡くなってしまいました。LAにいる時ナタリーコールのコンサートへ行きました。何曲か歌った後、舞台正面のスクリーンにナットキングコールのビデオを流し、Unforgettalbeをデュエットしてくれました。少々感動し、まさに忘れられないイベントとなりました。

ナットキングコールは数々の名曲がありますが、この歌は少々変わってます。歌詞を見ればわかるように単にフリムフラム・ソースがけオースンフェイのシファファ添えが食べたいと言っているだけです。しかし、なかなか出てこないので、とうとう業を煮やし、最後に「ねえ出してくれないんなら、水代の勘定書を持ってきなよ」と捨て台詞を吐いてお終いです。

これについて大橋巨泉がTBSラジオでやっていた「JAZZ ABC」という番組で思い出を語っていました。曰く、フリムフラムソースというのはどんなソースだ?オースンフェイとは何か?シファファって野菜か?と色々考えても一体どんな料理かわからない。辞書、料理本等々を調べてみたが皆目見当がつかない。そこで知り合いの日本に駐留している米軍人さんに聞いてみると破顔一笑、そんなものありませんよ、単なる冗談だとの返答。その時の巨泉の顔が見てみたかったです。 “Frim Fram Sauce / Nat King Cole” の続きを読む