ジャニー喜多川異聞

いささか旧聞に属する話となった感がありますが、7月9日にジャニー喜多川さんがお亡くなりになしました。享年87。その後彼の生涯、ジャニーズ事務所の功罪について色々なマスコミが饒舌に語っていましたが、どれも同じような話でした。しかし、一番笑えたのは高田文夫です。高田文夫は元来放送作家ですが、TV、ラジオで活躍しており、また立川談志の弟子となって立川藤志楼(トーシロー)で高座を務めCDも出しています。

高田文夫は2012年に心臓が止まり生死の境をさまよったが、7ヶ月間の闘病生活を経て奇跡的に復帰。止まった心臓を手術して生き返り、70になっても、これだけのスピードでギャグを撒き散らす人はまずいません。 高田文夫は今が最盛期と言う人がいますが、我誠に同感ナリ。 余談ではありますが「ラジオビバリー昼ズ」で高田文夫が心臓病で入院した事を報じた直後に掛かった曲が桑江知子の「私のハートはストップモーション」。さすがニッポン放送です。

ジャニーズは代々木にあった米軍のワシントンハイツ(後の東京五輪選手村)の内側に居たジャニー喜多川が少年野球チームを作り、そのチーム名をジャニーズにしたところから始まる、というのは誰もが知っている話でですが、なんとその現場に高田文夫がいたそうな。詳しくは音を聞いてください。

令和元年7月12日 ラジオビバリー昼ズ
(高田文夫 、松村邦洋、磯山さやか)

世間でジャニーさんの話題が蔓延しているのを見聞きし、俺もとばかりジャニーさんとの出会いを田淵幸一が松村邦洋に語ったそうです。これを松村が翌週(7月19日)の「ラジオビバリー昼ズ」で披露しています。 彼によれば田淵幸一のバッティングを最初に評価し、芸能界でなく野球を勧めたのはジャニーさんという事になります。

ところで、松村邦洋は山口県の田布施高校を留年するほど勉強が出来なかったにも関わらず、野球と芸能界の知識は端倪すべからざるものがある。林家ぺー、パー子夫妻が芸能人の誕生日を殆ど記憶しており、これもすごいとは思われるが松村とはレベルが違うようだ。


令和元年7月19日 ラジオビバリー昼ズ
(高田文夫、松村邦洋、磯山さやか)

ジャニーズの楽曲についても、あちこちでジャニーズ特集が放送されました。その中ではやはりクリス松村の「いい音楽あります」です。(このダサいタイトルなんとかなりませんかね)。曲はジャニーズ(真矢ひろみ、飯野おさみ、中谷良、あおい輝彦)のライブ音源で、超レア。勿論初めて聞きました。当時ジャニーさんがブロードウェイ的なミュージカルを目指していた事が分かります。3曲目はブルーコメッツとの共演で、これも珍しい音です。

令和元年7月14日 クリス松村の「いい音楽あります」

正しいFUCKの使い方/MADSAKI監修

最近のアメリカ映画を見ていると、セリフの中にしょっちゅう”fuck”が出てきます。戦争映画だとセリフはそればっかりという感じです。少なくともかつてのオードリー・ヘップバーンの映画には出てきませんでした。”fuck”は新しい言葉のような気がしてましたが、20世紀の始めから使われていたようです。語源を調べてみましたが諸説あり、どれも無理やりのこじつけという感じで、はっきりしません。まあ、俗語ですからやむえないところです。

“fuck”のような言葉は学校では習いませんし、英検やTOEICにも出てきません。しかし本書により”fuck”のみならず”shit”, “damn”, “hell”の正しい用法も学べます。これらはどれもイケナイ言葉ですが、その程度がかなり違うようです。本書では危険度を以下のように分類しています。しかし、昔イケナイ言葉だと習った”hell”がこの表では「一般的かも」と評価されています。時代の流れでしょうか?

“fuck”は本来の性交という意味以外に様々な用法があります。
⦿ 動詞として;
Are you fucking with me?/あんた、私のことバカにしてんの?
Don’t fuck it over./しくじるなよ
Don’t fuck me over./なめんなよ
Do me a favor and just shut the fuck up for the fuck’s sake./お願いだから黙っといてくれ
⦿ 形容詞の強調として;
This pizza is fucking delicious./このピザは超おいしい
This place looks so fucking familiar./この場所はとても良く知っている
⦿ 形容詞自体に入れて;
delicious –> deli-fucking-licious/超おいしい
fantastic –> fan-fucking-tastic/超すてき
incredible –> in-fucking-credible/信じらんなーい
⦿ 疑問文に入れて;
What the fuck are you doing here?/いったい、お前はここで何をやっているんだ
Where the fuck are you going?/いったい、お前はどこにいくんだ?
Who the fuck are you?/いったい、お前は誰なんだ

“fuck”が世界中で広く使われるようになった一つの要因は映画”Woodstock”の影響があると思います。Country Joe & the FISHのリーダーであるCountry Joe McDonaldが歌い始める前に観客に叫ぶと会場全体が反応しました。
Give me an “F”・・・・・・ “F”!!
Give me a ”U”・・・・・・・”U”!!
Give me a “C”・・・・・・・ “C”!!
Give me a ”K”・・・・・・・”K”!!
What’s that spell?・・・・・FUCK!!
What’s that spell?・・・・・FUCK!!
・・・・・・・・・

映像でご確認ください、30万人の観客が一斉にです。かなりの迫力です。
これ、英語だからボヤっと聞いてられますが、日本語の四文字言葉でやったらどうでしょう?
余談ですが、今年はウッドストック50周年です。40周年の時は結構盛り上がったんですが、今年は何の動きもありません。もうみんな忘れたという事でしょうか。

I-feel-like-I’m-fixin’-to-die rag / Country Joe McDonald

画面にカラオケのように歌詞が出てきますので、その部分だけ訳してみました。

And it’s one, two, three/それで、1,2,3
What are we fighting for?/僕らは何のために戦っているのか?
Don’t ask me, (I) don’t give a damn/僕に聞かないでくれ、僕は罵りはしない
Next stop is Vietnam;/次はベトナムだ
And it’s five, six, seven/それで、5,6,7
Open up the pearly gates/天国の門を開けろ
Well there ain’t no time to wonder why/そう、なんでだろうなんて考えている暇はない
Whoopee! we’re all gonna die/イェイ!僕らはみんな死ぬんだ

【narration】
Listen people I don’t know how you expect to ever stop the war/みんな聞いてくれ 僕は君たちがどのように、なんとかして戦争を止める事を期待しているかは分からない
If you can’t sing any better than that/もし、君達がそれ以上上手く歌えないなら
There’s about 300,000 of you fucker out there/此処には約30万人の君たち阿保がいる
I want you to start singin’/僕は君たちに歌い始めて欲しい
Come on/さあ

Now come on mothers throughout the land/さて、国中のお母さんたち
Pack your boys off to Viet Nam/急いで君の息子達をべトナムへ送り出してくれ
C’mon fathers don’t hesitate/さあ、お父さんたち躊躇しないで
Send your sons off before it’s too late/あなたの息子を手遅れになる前に送り出してくれ
Be the first one on your block/あなたの地区の一番で
To have your boy come home in a box/あなたの息子が箱に入って帰って来られるように
Alright/オーライ

この歌についてCountry Joe McDonaldのインタビューが残っています。これによると舞台に上がって二曲歌ったが、聴衆が聞いてくれず全然ウケない。そこで一旦舞台から降りてマネジャーに FISH Cheerをやって良いかと聞いた。彼は普段から舞台に上がって歌う前に Give me an F, Give me an I, S, H, What’s that spell FISH!とやって盛り上げていたようで、これをFISH Cheerと呼んでいた。やって良いかと聞かれたマネジャーは当然FISHだと思ってOKしたら実はFUCKだった。これが30万人の大合唱となりました。

ベトナム戦争の頃の米国は徴兵制でした。当時の若者たちはひょっとしたら自分もベトナムに連れて行かれて死んでしまうんぢゃないか、というウッスラとした恐怖感と不安が蔓延しており、40万人(主催者発表)の若者たちがウッドストックにそのはけ口を求めて集まって来たんだと思います。未だに語り継がれるここでのジミ・ヘンドリックスのギターによる歪んだ米国国歌の演奏がその頃の彼らの心情を如実に表していたように思います。
尚、本書にはご丁寧にもCDがついています。これを聞いてFUCKの正しい使い方を身に付けてください。

結婚してチョ/かまやつひろし

グループ・サウンズ全盛時代の色んなバンドの中でスパイダースが一番好きでした。スパイダースは堺俊二の息子である堺正章と井上順が前で歌っていましたが私は、かまやつひろしが作詞作曲した「フリフリ」、「バンバン」やジョンリーフッカーのカバーである「ブンブン」が単純で覚えやすく、かまやつのファンになりました。

かまやつひろしがスパイダースに入団する以前は、水原弘、井上ひろし、かまやつひろしで「三人ヒロシ」と呼ばれていた。と、此処まではどこにも書いてありますが、実際どうだったかという資料は余りありません。

スパイダース入団以前の二年間はテイチクの専属でした。タブレット純の研究によれば、その間シングルを19枚出していますが全く売れなかったようです。テイチク時代の音は「かまやつヒロシの俺の歌を聞いてくれ」というCDに纏められています。勿論今は廃盤で、中古盤を長い間探してましたが、やっと入手できました。収録された歌の中で洋盤のカバーはそれなりに聞けますが、オリジナル曲はトホホ度満載の訳分からん歌ばかりです。タブレット純が生前インタビューしたところ、自分の本意ではなかったが会社の指示でしょうがなく歌わされたと言ってたそうです。

テイチク録音歌曲を集めたCD

今回は、このCDの中でもかなりトホホ度の高い「結婚してチョ」を選んでみました。何度か繰り返される「結婚してチョチョ」という歌詞が実に間抜けでトホホ感満載です。「何々してチョ」という言い回しは最近聞きませんが、昭和の時代には確かにありました。富永一朗の漫画「チンコロ姐ちゃん」が初出のような気がしますが、定かではありません。尚、冒頭のジャケ写はCD解説書の中に当時のシングル盤のジャケットの写真が何枚かありましたので、これをコピーしました。

トホホ度 ★★★★☆
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★★

ダスターシュート・ベイビー/畑中葉子

ご承知の通り、畑中葉子は故平尾昌晃とデュエットした「カナダからの手紙」が大ヒットした後、エロ路線に転じ「後ろから前から」、「もっと動いて」という名曲を発表しています。またビートたけしとの共演で「丸の内スト-リー」という少々笑える歌もあります。

この歌もその路線の続きですが、これまでとは少々趣が異なります。一番の歌詞を引用してみます。

汗ばんだ首筋に はりつく髪
かきあげて後から あなた誘う
「アレがないの」突然言うと
ホラ体の上のあなたの動きが止まるわ
「冗談じゃないぜ 始末しろ」なんて
女いつでも獣よ しなやかに生きるわ
生まれてくる者たちを 拒みはしないわ

責任なんて 言わないわ
安心して お行きなさい Ah….
乱れて乱れて 絹を引きさいても
すましてすまして ルージュ引けるのよ

少し手を入れたくなる歌詞ですが、結構キツイ事言ってます。 タイトルも当時の世相を反映した凄いタイトルです。昭和というのは実に奥深い良い時代でした。今ではとてもぢゃないが無理でしょう。こんな内容なのでトホホ度は高いですが、お笑い要素は余りありません。

こういうテーマの歌は少ないと思いますが、私が一つ思い出すのはマイケルジャクソンの「ビリー・ジーン」(Billie Jean)です。歌詞の一部を引用してみます。

Billie Jean is not my lover/ビリー・ジーンは僕の恋人じゃない
She’s just a girl who claims that I am the one/ 彼女は僕が相手だって言ってるただの女の子さ
But the kid is not my son/ でも、その子は僕の息子じゃない
She says I am the one, but the kid is not my son/
彼女は僕が相手だって言ってるけど、その子は僕の息子じゃない  

探せばこの種の歌はもっと出てくるかもしれませんが、”Billie Jean”は世界中で知られている大ヒット曲で、これ以上のものは無いでしょう。

 

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★☆
意味不明度 ★★


楽園のカンヴァス/原田マハ著

この小説は前から気になっていたが、やっと新潮文庫で読むことができた。著者は岡山生まれで子供のころは大原美術館が遊び場だったようだ。早大二文美術史科卒業後、森ビル美術館設立に関わり、この間MoMA(ニューヨーク近代美術館)で半年研修を受けた経験がある。小説の舞台は大原美術館、 MoMA、スイスのバーゼルと国際的に展開する。

早川織絵は米国で生まれ、パリで美術史を研究し博士号を取得。当時若きルソー研究家として学会で注目されていた。仏人と結婚し一児を設けたが、離婚し倉敷の実家に戻って大原美術館の監視員を勤めている。 1983年 、MoMAのアシスタント・キュレータのティム・ブラウンはアンリ・ルソー展の企画助手をしていた。二人はバーゼル在住の謎の大コレクター、バイラーが所蔵するルソー作「夢をみた」の真贋鑑定を依頼される。「夢をみた」はルソーの代表作である「夢」(表紙絵)に酷似している大作であるが、文献には現れていない。バイラーはこの二人をバーゼルの屋敷に招き、一週間滞在させる。初日に「夢をみた」を見るがそれ以降は一週間かけて、ある小説を読み、その内容から七日目に講評を行う。バイラーが満足する講評を行った方に、その絵のハンドリング・ライトを委ねる。もし、そうなれば莫大な利益を得る可能性もある。

小説の中で小説を読むという仕掛けが面白い。その小説にはルソーとピカソの交友と絵の謎に関するヒントが描かれており、この小説の中の謎と現実の謎が交錯する。また、インターポールやバイラー自身の謎もあり、日本人が書いたミステリーとは思えない面白さがある。そして、最後は意外にもハッピー・エンド。

絵画は音楽や文学と違って100億円を超える値が付くものもあり、昔から盗難や贋作事件が多い。そんな事件を扱った美術ミステリーは世界中で小説や映画になっているが、解説の高階秀爾(大原美術館長)は「これまでに書かれたどんな美術ミステリーとも違う」と述べている。 殺人事件が起こるわけでは無し、派手な秘宝争奪戦が演じられるのでもないが、その謎の解明を核として豊かな物語を紡ぎだす筆力に唸らされた、と激賞している。

ウルトラCでやりましょう/二宮ゆき子

東京五輪切符の抽選申し込みはややこしかったですね。カートに入れて、電話もちゃんと掛かったので完了と思ってログアウト。しかしtokyo2020からメールが来ないんで、不審に思い、やり直したらOKになりました。カートに入れた時点で完了と誤解した人も結構いたようです。自分が申し込んだ切符は全部当たると100万円越えなので少々不安もありましたが、結局陸上競技が4枚で、まあまあの処に納まりました。しかし、PCに慣れない年配のに方は無理ですね。

オリンピックの歌となるとやはり三波春夫の「東京五輪音頭」だと思いますが、他にも色々ありました。この歌もその一つです。「ウルトラC」は体操競技でC難度を超える画期的な美技という意味で、当時の流行語になりました。この「ウルトラ」が後のウルトラQとかウルトラマンの元になったという説もあります。 現代の体操ではG難度まであり、当時の難易度Cは今では簡単な部類に入るようです。 処で「ウルトラCでやりましょう」というのは、どういう意味なんでしょう?今までにない新しい技でやりましょう、という事なんでしょうか?

この歌の歌詞は全般的に中々面白いですが、特に3番はトホホ感溢れてます。

色気あるのに ない振り見せて
淑女ぶるのは およしなさい
男心を 顔で読み
お酒飲ませて そのあとは
ウルトラCで やりましょう

これは今で言う逆ナンでしょうか?

全般的に意味は分かりやすいのですが、トホホ度、お笑い度は高得点になりました。この歌はジャケ写からも分かるように当時大ヒットした「まつのき小唄」のB面です。ついでにA面もリンクしておきました。

しかし、来年の東京五輪に関する歌が無いわけでは無いでしょうが、今市盛り上がりませんね。どなたか「東京五輪音頭」に匹敵する新しい国民歌謡を作ってほしいものです。

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★☆
ウルトラCでやりましょう
まつのき小唄

崩壊の森/本城雅人著

学生時代にロシア語を学んだ縁で土井垣侑(どいがきたすく)は東洋新聞ロシア特派員としてモスクワに赴任した。東洋新聞のモデルは産経新聞である。後書きで著者は元産経新聞ロシア特派員に取材し、当時の産経新聞記事を参考にしたとしている。

土井垣が赴任したのは昭和62年(1987)、チェルノブイリ事故後1年。それから平成3年(1991) 12月25日、ゴルバチョフ大統領がソ連邦消滅を発表する日まで、昼夜を問わず取材活動を続け、現地の生の声を拾うべく毎夜のようにバーでロシア人が心を開いて語ってくれるまでウォッカを呷り続ける。当時のロシアは言論、報道の自由は制限されており赴任当初は写真電送機もFAXも無かったので検閲、盗聴を避けるため、テレックスでローマ字原稿を送っていたようだ。

ソ連崩壊への段階でお約束の土井垣のロマンスがあり、スパイだった美人実業家、なんか胡散臭いけどしっかりしているロシア人、ソ連高官との交際等々から平成2年(1990)2月2日、共産党の独裁放棄をスプークする。同8月18日、ゴルバチョフがバカンスで不在の隙を狙ってクーデタが発生し、新婚の妻と外国人アパートから非難した。

ソ連崩壊までの数年間がノンフィクションで繋がっており、そこに土井垣の上司との葛藤、悩み、そして探偵小説的なスリルが相まってスピード感がある。全てが事実ではないとはいえ、特派員の仕事の厳しさが良く分かり、良質のエンタテインメントと感じた。ストーリーは特派員の目で進行するが、欲を言えばソ連政権内部の様子ももう少し書いてもらえると一層面白く感じられたかもしれない。

話は変わるが、先日ネットでウクライナから留学しているナザレンコ・アンドレーさんの講演を見た。ソ連邦が崩壊しウクライナ共和国は独立した。しかし、ソ連がロシアとなってもその本質は変わらず、ウクライナ人の浅慮によって、平成26年(2014)にクリミア侵攻を許し、今なお戦火は止んでいない。この現状を披露してくれた彼の講演は我々に考えさせるものがある。約7分の講演ですので、是非聞いてみてください。


俺たちの時代/西城秀樹

西城秀樹が亡くなってはや一年。もう喪が明けたという前提で秀樹のトホホな歌を探してみた。かつて山口百恵が京浜急行の横須賀から品川までの快速停車駅をひたすら歌う「I CAME FROM 横須賀」を本ブログ認定トホホ曲に選定したことがあります。この調子で秀樹にも何かある筈だと探しましたが、無い。その調査の過程でみうらじゅんがこの歌について「ヒデキのモッコリ」と述べているのを見つけました。確かにジャケ写を見るとモッコリのようにも見えるが、位置関係が少々違う様な気もする。歌は秀樹らしい能天気な内容で加も不可もないという感じですが、ジャケ写にトホホ感があるため、これを選んでみました。しかし、剥き出しの両足はとても綺麗です。

股間の表現、処理については古今東西、多くの人がひどく悩み、多くの人が全く悩でいません。この問題について日本人の研究書があります。木下直之著「股間若衆」と「新股間若衆」。著者によれば書名は「古今和歌集」のもじりだそうですが、股間は若衆だけのものでは無いので、余り良い題名とは思えません。本書の副題に「男の裸は芸術か」とありますが、女の裸が芸術であって男の裸が芸術でないとすれば、これはひどい差別であります。

股間の問題で一番頭を悩ませるのは彫刻家でしょう。例えばミケランジェロのダビデ像のような作品を作る場合、まずはモデルを誰にするかから始まって、どこまで忠実に再現するか、頭を悩ませます。これについてかつて著者が「タモリ倶楽部」に出演して、実際に日本の色々な作品を見ながら解説されました。忠実に再現されたものもありましたが、それはTVには映せないという事で胡麻化した例が紹介されました。誤魔化すために無かった事にする、或はその辺りを盛り上げてしまうという情けない形になっていました。隠すのであれば褌とかパンツを穿かせれば良いような気がしますが、芸術家魂としてそれは出来なかったのでしょう。

ギリシャ、ローマの時代は殆ど隠していないようです。ローマには股間に葉を被せた彫像が多くありますが、これらは後年原作に加えたようです。ローマのシスティーナ礼拝堂にあるミケランジェロ作の「最後の審判」は後年原作の股間に絵の具を塗って隠しましたが、前回の大修復の際に書き加えられた絵の具の除去作業を行うことになりました。ところが、作業途上で、蛇がチンチンに噛みついている場面が現れ、これを見て除去作業を中止したそうです。よって現在、絵の具で隠れているのといないのが混在しています。古代には自由で逢ったものが隠されるようになったのはキリスト教の影響でしょう。諸悪の根源はキリスト教であると私は思っています。

ところで、私はこの本を未だ読んでいません。このブログで読んでいない本を取り上げるのは初めてです。読みましたら感想を述べさせて頂きます。

経済で読み解く日本史❸江戸時代/上念司

日本史が高校で必修でなく(先進国の高校で自国の歴史が必修で無いのは日本だけ)自分はまともに日本史を勉強したことが無い。しかし歴史には興味がある。本書は人間の行動を縛る「銭」すなわち経済の動きを主軸にした新しい日本史である。経済の専門書に同様の論文は多々ありそうだが私のような素人にも分かるように平易に解説してくれてます。

本シリーズは文庫版の5分冊になっており
第1巻<室町・戦国時代>
第2巻<安土・桃山時代>
第3巻<江戸時代>
第4巻<明治時代>
第5巻<大正・昭和時代>

第1巻から読み始めるべきなんでしょうが、まず落語を通して馴染みの深い第3巻<江戸時代> から始めてみました。

当時は勿論経済学の理論は無く江戸時代の約260年間、幕府及び諸大名は色々な試行錯誤を繰り返し、成功と失敗を繰り返してきた。これらの結果を纏めると
●世の中はモノとお金のバランスによって成り立っている。
●お金が不足すればデフレになり、景気が悪くなる。
●景気が悪くなると普段は見向きもされない危険な思想に人々は救済を求める。

江戸時代初期の国家予算は約3,000万石であったが、幕府の天領での税収は400万石しかなかった。不足分を埋めるため、家康は全国の金山、銀山を手中に収めた。三大将軍家光までは独占した金銀を浪費し、幕藩体制を強固なものにした。教科書では浪費はイケナイ事となっているが、経済は発展し、八代将軍吉宗の頃に農業生産量はピークに達した。しかし、それ以降は金山、銀山を掘りつくしてしまい、財源不足が顕在化してきた。要するに税収を幕府が一括して徴収する中央集権体制になっていなかったのが根本的な問題であった。

その後幕府と諸大名は常に財政難と戦っていた。例えば幕府の財政難を克服するため改鋳が行われた。これは小判二枚を溶かして混ぜ物を加え、小判三枚にする。教科書ではイケナイ事だとされているが、これで幕府のお金の量が1.5倍になったので好景気となった。消費も喚起され米や米以外の作物も増収となった。しかし、享保の改革、寛政の改革等の緊縮財政政策によって不況になる。それ以降、著者云う処の「緊張と緩和」の繰り返しであった。

江戸も中期以降になると武士より町人の方が財力が豊かになる。幕府は治山治水、インフラ整備等の公共事業に掛かる費用を諸大名に拠出させるようになるが、大名とて火の車。いやいやながらも借金で賄うしかない。しかし、借金踏み倒しは頻繁に発生し、特に肥後の細川様は借金棒引きを繰り返し、信用を失ったようである。

江戸時代も末期になってくると開国を求める諸外国が日本に接近してくる。財政難による国難は開国を迫る諸外国が悪いという考えから、攘夷という思想が現れる。最後は開国せざるを得ず、明治維新となるが諸大名は借金が棒引き出来るので、廃藩置県という荒療治を受け入れたのではないだろうか。

その他薩長同盟も経済の観点から面白く解説されています。教科書では江戸時代は農民、町民が虐げられていた暗黒時代だと言われているが、実際には高度な通貨制度も整備され、町人が力を付け、軍事力も十分で外国に比べてもかなり良い状況だったのではないでしょうか?

現代でも借金はイケナイ、浪費はイケナイとして財務省主導の緊縮財政論がマスコミで流布されているが、景気は緊縮財政時に不況になっており、著者は現代においても緊縮財政ではデフレから脱却できないと云いたいのだと思います。

どうするの赤坂/山田邦子&高嶋政伸

高島家は芸能一家で有名ですが、色々と話題も多いようです。家長の高嶋忠夫は洒落た芸風の二枚目でしたが、糖尿病とか鬱病とかで、既に他界されてたかと思ってましたが、調べてみるとご存命でした。三男の政宏氏は若いころからヘビメタ好きで通っており、その業界筋では有名人でしたが、最近は自身でSM好きと公言され、飲み会では終始一貫、下ネタなんだと自慢しておりました。そのSM好きが高じて「変態紳士」という本を上梓されました。

早速読んでみたんですが、これが丸で駄目。トンデモ本にもなれない駄本。本人が書いた、いやゴーストライターだ、とかそういう問題でもない。SMが好きでSMショーを見に行った。どこそこのSM劇場のママさんとは顔馴染みとか今は無きナントカ劇場が良かったとか。そういう話で第一章が終わり、後はだらだらと食レポ的雑談とロックの話。腰巻の「プライドを捨てて変態をさらしたあの日から大切な人たちに愛されはじめた」という文句が空虚に響く。さすがにプロのコピーライターは大したもんだと思います。多分よほどの高嶋政宏ファンで無ければ私と同じ感想でしょう。(こんな本買った自分が情けない)

そこで彼をディスろうと思い、彼の歌を探してみましたがありません。よって連帯責任(?)で次男の高嶋政伸と山田邦子がデュエットしているこの歌にしました。カテゴリーは「珍盤・奇盤」としましたが、ボヤっと聞くと昭和の時代のムード歌謡という感じです。しかし、この歌にはマジなのか受け狙いなのかが私のような専門家でも判断が難しい部分があります。という訳で採点はちょっと甘めになりました。

トホホ度 ★★★
お笑い度 ★★☆
意味不明度 ★★★