チェンジ・パートナーズ/フランク・シナトラ

極私的洋楽解釈

私は過去を余り反省しないタイプですが、社交ダンスは習っておけば良かったと思ってます(チャンスはあったんですが)。ポピュラー音楽の歴史はダンスと共にあったと言ってもよく、スウィング時代のジャズはダンスの為の伴奏音楽でした。デューク・エリントン楽団が演奏しているとき、その演奏が余りに素晴らしいので、踊る人々が足を止めて聞き入ったという伝説があります。戦後、ロックからディスコ、ヒップ・ホップと変化してきましたが、これらは全てパートナーと離れたままという残念な踊り方です。唯一ディスコに「チーク・タイム」というのがありましたが、これも今は無くなってしまったようです。最近は学校でダンスを教えていますが、ヒップ・ホップのような踊りが多いようです。やはり、税金を投じてダンスを教えるからには踊り方が確立し、将来役に立ちそうな社交ダンスにして欲しいものです。

この歌は今他人と踊っている彼女にパートナーを代えて僕と踊ってほしい、と願うだけの歌です。一曲休んでください。その間にウェイターにチップを渡してパートナーに電話が掛かってる言わせるから、などと下手な作戦を考えています。昔、特に海外のホテルのラウンジなんかでは、電話が掛かってきたと言ってウェイターが名前を書いた小さな看板を持って客を探している光景を良く見ました。

この歌はフランク・シナトラ、アントニオ・カルロス・ジョビン、そしてアレンジャーのクラウス・オガーマンという名人が組んで傑作になりました。パートナーを自分と変わって欲しいと必死に願うのですが、外見は平静を装って力まず歌っているシナトラが素敵です。そして残念ながらその願いは叶えられなかったようです。聞くたびに、ゆったりとほっこりとした気分になる歌がありますが、これもそんな中の一曲です。

Must you dance every dance with the same fortunate man?
君はどのダンスも同じ仕合わせ者とずっと一緒に踊らなきゃいけないの?
You have danced with him since the music began
あなたは音楽が始まってからずっと彼と踊っている
Won’t you change partners and dance with me?
パートナーを代えて僕と踊ってくれませんか?

Must you dance quite so close with your lips touching his face?
あなたの唇が彼の顔に触れるくらい、ぴったりくっついて踊らなきゃいけないの?
Can’t you see I’m longing to be in his place?
君は僕が彼と代わりたいと思ってるの、分かりませんか?
Won’t you change partners and dance with me?
パートナーを代えて、僕と踊ってくれませんか?

Ask him to sit this one out
この曲を飛ばしましょうと彼に頼んで下さい
and while you’re alone
そしてあなたが一人の間に
I’ll tell the waiter to tell him he’s wanted on the telephone
僕は彼に電話がかかっていますと彼に伝えるようウェイターに頼みましょう
You’ve been locked in his arms ever since heaven-knows-when
あなたはいつからか分からない頃からずっと彼の腕に抱き締められている
Won’t you change partners
パートナーを代えてくれませんか
and then you may never want to change partners again
でもあなたはまたパートナーを変えたくないのかもしれない
Won’t you change partners
パートナーを代えてくれませんか
and then you may never want to change partners again
でもあなたはパートナーを変えたくないのかもしれない