誘惑のブギー/バカラ

極私的洋楽解釈

ここのところ、ある往年のディスコ・レイディの影響で、その頃のディスコ曲ばかり聞いています。そんな中である方から「ブギー」とはどういう意味かと聞かれました。ブギーはディスコ音楽に限らず、ジャズ、ソウル、ロックでの頻出単語です。(試験には出ませんが)

ブギーは既に20世紀初頭に録音された黒人音楽の題名にも使われており、テンポが速く、ビートの強いジャズやブルースを一緒くたにブギウギと呼んでいました。日本でも戦後、笠木シズ子の「東京ブギウギ」が流行して以降、その種の音楽の代名詞になっているようです。いうまでも無くブギーは黒人のスラングで、スラングはカタギの衆に分からない仲間内だけで通じる言葉なので、本来の意味は非常に分かりにくいです。

かつて、ジャズ絡みで黒人スラングを研究していた先生があり、その方によると、これはセックスの時の体の動きをブギーウギー(boogie woogie)と表現したのが始まりのようです。ブギーがそれ自体を指す場合もあります。よって、ディスコで体をクネクネさせて踊る形もブギーと言えるかもしれません。最近よく見るサーフボードの半分以下の大きさで腹ばいに乗って乗るボードが「ブギーボード」と呼ばれるているのも波に乗っている時の体の動きから来ているようです。

ディスコ曲を色々聞いている中で分かりやすくブギーが出てくる曲がありましたので、久々に「極私的洋楽解釈」としてとりあげてみました。原題は “Yes Sir, I Can Boogie”. 尚、訳は例によって逐語直訳です。

Mister/お兄さん
Your eyes are full of hesitation/あなたの目はためらいで一杯
Sure makes me wonder If you know what you’re looking for/あなたはあなたが求めている物が何か分からないのかどうか、確かに私を驚かせる。

Baby/坊や
I wanna keep my reputation/私は私の評判を維持したい
I’m a sensation/私は大評判
You try me once, you’ll beg for more/一度私を試したら、あなたは、もっととせがむでしょう

Oh, yes sir, I can boogie/ハイ、私はブギーできます
But a I need a certain song/でも私はある程度の歌が必要です
I can boogie, boogie-boogie All night long/私はブギーできる、一晩中

And yes sir, I can boogie/そして、ハイ私はブギーできます
If you stay, you can’t go wrong/もしあなたがいたら、あなたは悪くなれません
I can boogie, boogie-boogie All night long/私はブギーできる、一晩中

No sir/だめです。
I don’t feel very much like talking/私はとてもお話したい気分ではありません。
No, neither walking/いいえ、歩くのもいやです。
You wanna know if I can dance/あなたは私が踊れるかどうか知りたいんですね

Yes sir/ハイ
Already told you in the first verse/すでに最初の節であなたに言いました
And in the chorus/そしてコーラスでも
But I will give you one more chance/でも、私はもうひとつのチャンスをあげます

【細かい説明】
・一行目 Mister:長嶋茂雄ではありません。街頭で客とおぼしき男性に呼びかけます。
・五行目 I wanna keep my reputation:このまま売れ残ったりしたら、私の評判がた落ちなんです。
・九行目 But a I need a certain song:”a song”は特に安いとか二束三文という意味。お安くしときますよと。