ポップス歌手の耐えられない軽さ (27)/桑田佳祐

日本世間話大系

桑田佳祐が週刊文春7月23日号のコラム「ポップス歌手の耐えられない軽さ (27)」で「出でよ!!色っぽい歌姫」と題して、色っぽい歌姫を論じています。「平成から令和にかけて、思えば『頭数で勝負』『ウチの店は可愛い子揃えてます』みたいなアイドル路線ばかりで、そんなニッポンの歌謡界に対して正直オジサン『?』でござった。」「そりゃ最近の流行りが『文科系』だか『草食系』だってのは、アタシだって何となく知ってるよ。あいみょんとか、米津玄師、サカナクション……。男女を問わず、品があって、頭も良さそうな歌い手たちが人気なんだって。若いスタッフに教わった。(中略)”セクシー”つってもエロばかりでなくて、なんかこう”匂い立つ”というか、色っぽさみたいなものが滲み出たってイイのにね、と思うわけで。で全然脈略ないけど、『ニッポン最強の歌姫』は誰か??」

という訳で色々な観点から多くの候補を挙げています。そして最後に「じゃ、ズバリ申し上げよう。これらの居並ぶ強豪を抑えて、アタシが思う『最強のエリート歌姫』は……(ジャジャーン)小柳ルミ子である‼‼‼」

その理由として
理由その1「歌がうまい」
理由その2「エロい」
理由その3「踊りが上手い」
理由その4「芝居が上手い」
理由その5「脱げる」

その気持ちは分かるがこの理由1~5を全て満足するのはかなり厳しいと思いませんか?小柳ルミ子について理由その1は確かにそうだ。理由その5の例として挙げられている「白蛇抄」はDVDで見たが、確かに脱いでいた。問題は理由その3と4である。彼女は宝塚出身なので踊りも芝居も上手いと思う。本文にも「健康的、大人の女の魅力が満載のダンシング‼『踊る紺屋高尾』大澄賢也も頑張れ‼)」しかし、その理由3~5は必須条件?「ちょっと待て。脱ぐのなら五月みどりや西川峰子はどうだとおっしゃるかもしれない。否、彼女たちはダンスを踊らない‼かくして、五拍子も揃った”最強の歌姫”まさに”人間テイクファイヴ”のルミ子、いや『スーパー・エリート芸能人』小柳ルミ子に、何か『記念品』をお送りしたい。」「そして、この令和の世に、そのルミ子を越えて行って頂きたい歌姫がいる。『あゆ』こと浜崎あゆみである‼」(余談であるが大澄賢也を『踊る紺屋高尾』と言ったのは実にウマイ!)

これからみるに理由1~5は必須条件のようだ。確かに、この条件で選ぶとしたら小柳ルミ子となるのも納得できる。誰か他に候補者ありますかね??しかし、あゆは脱ぐのであろうか?(余談であるが『人間テイクファイブ』には笑ってしまいました。)

もっと大きな問題はこの中で「文科系」とか「草食系」と言われる「男女を問わず、品があって、頭も良さそうな歌い手たちが人気なんだって。」私は、このような歌手に対するなんか不満または不安、これでエエのか?感は桑田氏と全く同じ思いです。ようするにどこから見ても大人から叱られるような事は致しませんというお行儀の良さ。行儀が良いだけでなく、その平和的、融和的歌詞が褒められたりして。これは日本人の精神がますます軟弱化してきている証拠ではないでしょうか。この件は前から論じたいとは思ってましたが、なかなか纏まりません。未だに尾崎豊が取り沙汰されるのは、単車盗んで走り回ったり、窓ガラス割ったりするからではないでしょうか?