Just The Two Of Us / Bill Withers

極私的洋楽解釈

ソウル歌手のビル・ウィザースが3月30日に死去しました。享年81。ビル・ウィザースは”Ain’t No Sunshine”(邦題:消えゆく太陽)でデビュー。その後も”Lean On Me”, “Use Me”, “Lovely Day”等のヒット曲がありますが日本での知名度は今市でした。しかし、グローバー・ワシントン・ジュニア(as)のアルバム”Winelight” のゲスト・ボーカルとして歌った”Just The Two Of Us”が大ヒットし、一躍メジャー歌手の仲間入りをしました。

丁度その頃、日本では田中康夫の「なんとなくクリスタル」がベストセラーとなって、「クリスタル族」なる言葉が流行りました。「クリスタル族」とは何だか良くわかりませんが、小説に描かれているような都会的なカッコいい生き方をしている大学生或は若いビジネスマン、今風に言えば「意識高い系」という感じでしょうか。

そこまでは良いですが、この曲に「クリスタルな恋人たち」という今の目で見ればかなりトホホ度の高い邦題を付けてしまいました。「なんとなくクリスタル」に乗せて売っていこうというセコイ根性が透けて見えます。歌詞に”crystal raindrops”というのが出てくるのもヒントになったんでしょう。邦題は今市ですが、歌は実に落ち着いた良い雰囲気を醸し出しており、クリスタル感(?)があります。この歌のみならず、この”Winelight”はクロスオーバーとかフュージョンと呼ばれたジャンルの中での傑作と言えます。今聞いても全く古い感じはしません。