イスラム教の論理・イスラム2.0/飯山陽(その2)

読書のお時間

前回はマレーシアに居た頃の体験談でしたが、いよいよ本論です。

(2)イスラム教徒はなぜ自爆テロを繰り返すのか

著者は明確に答えています。コーランにそうせよと書いてあるから。イスラム教の教典であるコーランは神の言葉であり一字一句全て正しく、イスラム教徒はこれに従わなければならない。主な教えを並べてみると;

・イスラム教の平和を実現するためにジハード(聖戦)を行う。
イスラム教の平和とは世界をイスラム教が制覇する事であり、そのためには非信仰者(彼らはイスラム教信者以外をこう呼ぶ)を殲滅させる。

・現世は仮の世であり、コーランの教えを守れば天国へ行ける。
ジハードを戦った戦士は72人の処女が待つ天国へ行ける。自身で戦えない者は戦士を物心両面で支援すれば天国へ行ける。

・コーランは奴隷制度を容認する。
イスラム国の勢力がまだ衰えていない頃、彼らは奴隷制度を採用すると発表した。コーランによればこれは正しい。男女間に関しては厳しい戒律があり、売春や姦通は大罪であるが性奴隷は容認される。

(3)イスラム2.0

近年世界的にイスラム教徒の数が増え、現在約18憶人以上と言われる。以前はイスラム教徒の識字率が低く、コーランやハディース(ムハンマドの言行録)を読んで理解できる者が少なかった。そこで、イスラム法学者と呼ばれる人々がコーランの解釈として分かりやすい穏便な啓示を与えていた。ところが誰もがスマホを持つ時代になると識字率が向上したことと相まってイスラム教の教典に簡単にアクセスして読むことが出来るようになった。これに加えてSNSやyoutubeにコーランの教えに基づく言説や映像が多量に流出した。ジハード戦士を募集するため自らが自爆テロを行う映像を撮影させyoutubeで公開したものもあった。 これらによりコーランの教えを直接知り、行動する原理主義者が増加した。

平成13年9月11日のアメリカ同時多発テロ以降、米国は6兆ドルともいわれる巨費を注ぎ込みテロとの戦いを続けてきた。しかしその間テロはかえって拡大している。米国は昨年3月、イスラム国(IS)の領土を完全に奪還したと発表した。しかし西側諸国はイスラム教にとって領土は問題ではなく、イデオロギーの問題である事に気が付き始めた。要するにイデオロギーの問題であるから、ジハード戦士が何処に住んでいるか、何人か、という事は関係ない。いつでもどこでもその気になれば自爆テロを行って天国に行けるのである。

(4)イスラム法

私がマレーシアに居た頃もイスラム原理主義者はいた。しかし当時のマハティール首相は彼らを危険分子として逮捕拘束していた。当時のマレーシアは工業化を進め先進国の仲間入りをするため西欧民主主義的憲法を制定し、近代国家造り(先進国への仲間入り)に邁進し、そのためには原理主義者は邪魔であった。しかし近年コーランがあるのだから、これを法律として多宗派共生国でない、完全なイスラム国を作る事を主張する人が増えてきた。

インドネシアは2億6千万人の人口のうち9割がイスラム教徒である。昭和20年の建国以来、スハルト政権の半ばまではインドネシア人は温和で穏健だと言われ、信仰の自由は保障されていた。しかし、晩年になってスハルトはイスラム教優遇策を実施し、キリスト教徒に対する暴力を黙認するようになった。その後イスラム国に参加するものが増え、インドネシア国内の自爆テロが急増した。

平成26年の米国の調査機関によるインドネシアでの調査結果によれば、インドネシア人のイスラム教徒の72%がイスラム法を国家の法律にすることに賛成している。もし、これが実現すれば米国が壊滅させたイスラム国がインドネシアに誕生する事になる。「イスラム2.0」第六章では「もしも世界がイスラム教に征服されたら…」と題して恐ろしいシュミレーションを展開しています。

(5)イスラム教徒とどうつきあう

日本でも日本以外でも(例えばオバマ元大統領)「イスラムは平和の宗教」と言う人がいます。それを信じた独のメルケル首相の移民政策によりイスラム教徒が多数流入し、ヨーロッパ全体に広がっている。トルコのエルドアン前首相はヨーロッパにいるトルコ人にそれぞれ子供を5人産んで乗っ取れ、とはっぱを掛けていました。

平成28年に英国で生まれた新生児の名前(男子)の1位はOliverでした。第8位はMuhammadです。しかし、同じモハメッドを意味するMohammed, Mohammadを足せばこのイスラム名がトップになる(という驚くべき事実!)。

結局、我々はどうすれば良いのか?答えはシンプルです。外人を日本国内に入れるな。最近は人手不足でコンビニには殆ど日本人がいません。日本で働いている外人は殆どが東南アジア出身だから大丈夫と思うかもしれませんが、インドネシア、フィリピンを中心としてアジアのイスラム教徒が増加しています。やはりAI等、ICT技術によって徹底的に省力化を進め、日本人だけで運営できる状態を作りあげる必要があります。

イスラム自爆テロは日本人には関係ないと思っている人も多いようです。確かにイスラム国の最大の敵は米国ですが、日本人も異教徒です。バングラデシで人質になった日本人が「私は日本人だから殺さないでくれ」と嘆願しました。しかし、自分が日本人であると言ったので異教徒という事が証明された事になり、殺害されました。

(6)余談

マレーシアにいた時からイスラム教とは何か、という疑問が頭の片隅に引っかかっていました。その疑問が米国同時多発テロで再び現れてきました。イスラム教を解説した書籍は色々あると思いますが、本書は著者の学者的真面目さにより、一つ一つ出展を明らかにしながら、分かりやすく説明しています。(少々くどい感もありますが)「イスラム2.0」の第七章は「イスラム教徒と共生するために」と題して我々日本人がどう彼らと係るかのノウハウがあります。イスラム教徒と付合う可能性のある方は必読です。私が知る限り全般的に本当の事を書いたのは飯山さんだけだと思います。

一般に中東やイスラムの研究者というと髭面のむくつけきオッサンが多いのですが、著者は腰巻の写真から分かるようにかなりの美人です。竹久夢二が描く女性を少し丸くした感じに見えます。(これが本書を購入した動機の一つです。)もし機会があれば色々と話をしてみたいなと思っています。