26文字のラブレター/遊泳舎編、いとうあつき絵

読書のお時間

都都逸は 7・7・7・5 の26文字が基本であるが、中には8・7・8・5の字余り、或いは頭に5を付けた5・ 7・7・7・5 もある。要は自然に歌えればよく、かなり自由である。都都逸は殆どが作者不詳で江戸の昔から現在まで歌い継がれている名作も多いが、そのテーマは殆どが色恋である。この本は都都逸を集めたもので、いとうあつきという人の挿絵があり、まるで絵本のようだ。都都逸の挿絵というと浮世絵や錦絵を想像するが、ここでは全く現代の日常が描かれており、スマホも登場する。

出版元の遊泳舎は新興の会社で(2018年創業)このような絵入りの綺麗な本を出している。自分には似合わないと思いつつもつい買ってしまった。以下に取り上げられている都都逸のいくつかを挙げる。

外は雨 酔いも回った さあこれからは
主(ぬし)の勇気を 待つばかり

ひとりでさしたる から傘ならば
片袖濡れよう 筈がない

諦めましたよ どう諦めた
諦めきれぬと 諦めた

痴話はいつしか ランプとともに
消えて 時計の 音ばかり

君は吉野の 千本桜 
色香よけれど 気が多い

澄んで 聞こえる 待つ夜の鐘は
こんと鳴るのが にくらしい

すねて片寄る 布団のはずれ
惚れた方から 機嫌とる

三千世界の 烏を殺し
主と朝寝が してみたい

あの人の どこがいいかと 尋ねる人に
どこが悪いと 問いかえす

思い出せとは 忘るるからよ
思い出さずに 忘れまい

落語には都都逸のみならず、狂歌、川柳が沢山あり、聞いてるときは良い文句だなと思ってもすぐ忘れて、後で思い出そうとしてもなかなか出てこなくなりました。そういう文句を集めた本があるとは思うのですが、なかなか探し出せません。見つかったらここで紹介します。