永遠のジャンゴ(サウンドトラック)/Le Rosenburg Trio

見逃していた「永遠のジャンゴ」をDVDで見た。ジャンゴ・ラインハルト(1910 – 1953)はロマ族(俗にジプシーと呼ばれている)の旅芸人の子として生まれた。幼年期にベルギーからパリへ移住し、10代からカフェやダンスホールでバンジョーやギターを弾いていた。1928年に初録音を行うが、この年、火事で左手の薬指と小指が動かなくなり、右足にも障害が残った。

ギター奏者として再起不能と思われたが、人差し指と中指の二本で弾くという革命的奏法を編み出しパリで大変な人気を博した。Youtubeで当時の彼を見ることができるが二本指でスイング感溢れる演奏を披露している。その後、米国のジャズに影響を受け、ジャズのスタンダードナンバーを演奏し始める。当時ギターは米国でも伴奏楽器と見なされておりソロを弾くことはなかった。しかしジャンゴの新しいソロ演奏が逆にジャズの本場に影響を与えた。

映画では第二次世界大戦下のパリに侵攻してきたドイツ軍により演奏が制限され、ジプシー狩りが始まった。ジャンゴ一家はスイスに亡命するためレマン湖畔に逃れるが、ここにもドイツ軍が押し寄せ、最後は家族もギターも捨て、雪のアルプスを越えて逃亡する。戦後パリに戻り、バイオリンのステファン・グラッペリとバンドを組み、素晴らしい作品を次々と生み出した。

ジャンゴは、気まぐれで、おしゃれで、パリの女性を惹きつけるオーラがあったらしい。ジャンゴ役のレダ・カテプはそんな雰囲気をよく再現している。演奏のシーンでは二本指奏法をきちんと真似て完璧であった。実際の演奏はローゼンバーグトリオが現在の技術でほぼ完璧に当時の演奏を再現している。この時代は未だLPの前のSPの時代で、音質が悪いのは致し方ない。CDを聞いて育ったワカイシには馴染みにくいかもしれないがローゼンバーグトリオの演奏を聴けばCD世代にもジャンゴの面白さが分かるような気がする。

私は昔ジャンゴのレコードをよく聞いていた時期があった。当時はジャズギターという分類の中のジャンゴという認識だったが、今改めて聞いてみると米国のジャズとは違うパリの音楽という気がする。酔漢と遊女の嬌声が響く、紫煙たなびくパリのカフェで演奏するジャンゴの姿が浮かんでくるようだ。

(1) Les-Yeux-Noirs (黒い瞳) (2) Nuages (雲)
(1) After You’ve Gone (2) It’s Only A Paper Moon (3) Djangology

コメントを残す