正しいFUCKの使い方/MADSAKI監修

最近のアメリカ映画を見ていると、セリフの中にしょっちゅう”fuck”が出てきます。戦争映画だとセリフはそればっかりという感じです。少なくともかつてのオードリー・ヘップバーンの映画には出てきませんでした。”fuck”は新しい言葉のような気がしてましたが、20世紀の始めから使われていたようです。語源を調べてみましたが諸説あり、どれも無理やりのこじつけという感じで、はっきりしません。まあ、俗語ですからやむえないところです。

“fuck”のような言葉は学校では習いませんし、英検やTOEICにも出てきません。しかし本書により”fuck”のみならず”shit”, “damn”, “hell”の正しい用法も学べます。これらはどれもイケナイ言葉ですが、その程度がかなり違うようです。本書では危険度を以下のように分類しています。しかし、昔イケナイ言葉だと習った”hell”がこの表では「一般的かも」と評価されています。時代の流れでしょうか?

“fuck”は本来の性交という意味以外に様々な用法があります。
⦿ 動詞として;
Are you fucking with me?/あんた、私のことバカにしてんの?
Don’t fuck it over./しくじるなよ
Don’t fuck me over./なめんなよ
Do me a favor and just shut the fuck up for the fuck’s sake./お願いだから黙っといてくれ
⦿ 形容詞の強調として;
This pizza is fucking delicious./このピザは超おいしい
This place looks so fucking familiar./この場所はとても良く知っている
⦿ 形容詞自体に入れて;
delicious –> deli-fucking-licious/超おいしい
fantastic –> fan-fucking-tastic/超すてき
incredible –> in-fucking-credible/信じらんなーい
⦿ 疑問文に入れて;
What the fuck are you doing here?/いったい、お前はここで何をやっているんだ
Where the fuck are you going?/いったい、お前はどこにいくんだ?
Who the fuck are you?/いったい、お前は誰なんだ

“fuck”が世界中で広く使われるようになった一つの要因は映画”Woodstock”の影響があると思います。Country Joe & the FISHのリーダーであるCountry Joe McDonaldが歌い始める前に観客に叫ぶと会場全体が反応しました。
Give me an “F”・・・・・・ “F”!!
Give me a ”U”・・・・・・・”U”!!
Give me a “C”・・・・・・・ “C”!!
Give me a ”K”・・・・・・・”K”!!
What’s that spell?・・・・・FUCK!!
What’s that spell?・・・・・FUCK!!
・・・・・・・・・

映像でご確認ください、30万人の観客が一斉にです。かなりの迫力です。
これ、英語だからボヤっと聞いてられますが、日本語の四文字言葉でやったらどうでしょう?
余談ですが、今年はウッドストック50周年です。40周年の時は結構盛り上がったんですが、今年は何の動きもありません。もうみんな忘れたという事でしょうか。

I-feel-like-I’m-fixin’-to-die rag / Country Joe McDonald

画面にカラオケのように歌詞が出てきますので、その部分だけ訳してみました。

And it’s one, two, three/それで、1,2,3
What are we fighting for?/僕らは何のために戦っているのか?
Don’t ask me, (I) don’t give a damn/僕に聞かないでくれ、僕は罵りはしない
Next stop is Vietnam;/次はベトナムだ
And it’s five, six, seven/それで、5,6,7
Open up the pearly gates/天国の門を開けろ
Well there ain’t no time to wonder why/そう、なんでだろうなんて考えている暇はない
Whoopee! we’re all gonna die/イェイ!僕らはみんな死ぬんだ

【narration】
Listen people I don’t know how you expect to ever stop the war/みんな聞いてくれ 僕は君たちがどのように、なんとかして戦争を止める事を期待しているかは分からない
If you can’t sing any better than that/もし、君達がそれ以上上手く歌えないなら
There’s about 300,000 of you fucker out there/此処には約30万人の君たち阿保がいる
I want you to start singin’/僕は君たちに歌い始めて欲しい
Come on/さあ

Now come on mothers throughout the land/さて、国中のお母さんたち
Pack your boys off to Viet Nam/急いで君の息子達をべトナムへ送り出してくれ
C’mon fathers don’t hesitate/さあ、お父さんたち躊躇しないで
Send your sons off before it’s too late/あなたの息子を手遅れになる前に送り出してくれ
Be the first one on your block/あなたの地区の一番で
To have your boy come home in a box/あなたの息子が箱に入って帰って来られるように
Alright/オーライ

この歌についてCountry Joe McDonaldのインタビューが残っています。これによると舞台に上がって二曲歌ったが、聴衆が聞いてくれず全然ウケない。そこで一旦舞台から降りてマネジャーに FISH Cheerをやって良いかと聞いた。彼は普段から舞台に上がって歌う前に Give me an F, Give me an I, S, H, What’s that spell FISH!とやって盛り上げていたようで、これをFISH Cheerと呼んでいた。やって良いかと聞かれたマネジャーは当然FISHだと思ってOKしたら実はFUCKだった。これが30万人の大合唱となりました。

ベトナム戦争の頃の米国は徴兵制でした。当時の若者たちはひょっとしたら自分もベトナムに連れて行かれて死んでしまうんぢゃないか、というウッスラとした恐怖感と不安が蔓延しており、40万人(主催者発表)の若者たちがウッドストックにそのはけ口を求めて集まって来たんだと思います。未だに語り継がれるここでのジミ・ヘンドリックスのギターによる歪んだ米国国歌の演奏がその頃の彼らの心情を如実に表していたように思います。
尚、本書にはご丁寧にもCDがついています。これを聞いてFUCKの正しい使い方を身に付けてください。

結婚してチョ/かまやつひろし

グループ・サウンズ全盛時代の色んなバンドの中でスパイダースが一番好きでした。スパイダースは堺俊二の息子である堺正章と井上順が前で歌っていましたが私は、かまやつひろしが作詞作曲した「フリフリ」、「バンバン」やジョンリーフッカーのカバーである「ブンブン」が単純で覚えやすく、かまやつのファンになりました。

かまやつひろしがスパイダースに入団する以前は、水原弘、井上ひろし、かまやつひろしで「三人ヒロシ」と呼ばれていた。と、此処まではどこにも書いてありますが、実際どうだったかという資料は余りありません。

スパイダース入団以前の二年間はテイチクの専属でした。タブレット純の研究によれば、その間シングルを19枚出していますが全く売れなかったようです。テイチク時代の音は「かまやつヒロシの俺の歌を聞いてくれ」というCDに纏められています。勿論今は廃盤で、中古盤を長い間探してましたが、やっと入手できました。収録された歌の中で洋盤のカバーはそれなりに聞けますが、オリジナル曲はトホホ度満載の訳分からん歌ばかりです。タブレット純が生前インタビューしたところ、自分の本意ではなかったが会社の指示でしょうがなく歌わされたと言ってたそうです。

テイチク録音歌曲を集めたCD

今回は、このCDの中でもかなりトホホ度の高い「結婚してチョ」を選んでみました。何度か繰り返される「結婚してチョチョ」という歌詞が実に間抜けでトホホ感満載です。「何々してチョ」という言い回しは最近聞きませんが、昭和の時代には確かにありました。富永一朗の漫画「チンコロ姐ちゃん」が初出のような気がしますが、定かではありません。尚、冒頭のジャケ写はCD解説書の中に当時のシングル盤のジャケットの写真が何枚かありましたので、これをコピーしました。

トホホ度 ★★★★☆
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★★

ダスターシュート・ベイビー/畑中葉子

ご承知の通り、畑中葉子は故平尾昌晃とデュエットした「カナダからの手紙」が大ヒットした後、エロ路線に転じ「後ろから前から」、「もっと動いて」という名曲を発表しています。またビートたけしとの共演で「丸の内スト-リー」という少々笑える歌もあります。

この歌もその路線の続きですが、これまでとは少々趣が異なります。一番の歌詞を引用してみます。

汗ばんだ首筋に はりつく髪
かきあげて後から あなた誘う
「アレがないの」突然言うと
ホラ体の上のあなたの動きが止まるわ
「冗談じゃないぜ 始末しろ」なんて
女いつでも獣よ しなやかに生きるわ
生まれてくる者たちを 拒みはしないわ

責任なんて 言わないわ
安心して お行きなさい Ah….
乱れて乱れて 絹を引きさいても
すましてすまして ルージュ引けるのよ

少し手を入れたくなる歌詞ですが、結構キツイ事言ってます。 タイトルも当時の世相を反映した凄いタイトルです。昭和というのは実に奥深い良い時代でした。今ではとてもぢゃないが無理でしょう。こんな内容なのでトホホ度は高いですが、お笑い要素は余りありません。

こういうテーマの歌は少ないと思いますが、私が一つ思い出すのはマイケルジャクソンの「ビリー・ジーン」(Billie Jean)です。歌詞の一部を引用してみます。

Billie Jean is not my lover/ビリー・ジーンは僕の恋人じゃない
She’s just a girl who claims that I am the one/ 彼女は僕が相手だって言ってるただの女の子さ
But the kid is not my son/ でも、その子は僕の息子じゃない
She says I am the one, but the kid is not my son/
彼女は僕が相手だって言ってるけど、その子は僕の息子じゃない  

探せばこの種の歌はもっと出てくるかもしれませんが、”Billie Jean”は世界中で知られている大ヒット曲で、これ以上のものは無いでしょう。

 

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★☆
意味不明度 ★★


楽園のカンヴァス/原田マハ著

この小説は前から気になっていたが、やっと新潮文庫で読むことができた。著者は岡山生まれで子供のころは大原美術館が遊び場だったようだ。早大二文美術史科卒業後、森ビル美術館設立に関わり、この間MoMA(ニューヨーク近代美術館)で半年研修を受けた経験がある。小説の舞台は大原美術館、 MoMA、スイスのバーゼルと国際的に展開する。

早川織絵は米国で生まれ、パリで美術史を研究し博士号を取得。当時若きルソー研究家として学会で注目されていた。仏人と結婚し一児を設けたが、離婚し倉敷の実家に戻って大原美術館の監視員を勤めている。 1983年 、MoMAのアシスタント・キュレータのティム・ブラウンはアンリ・ルソー展の企画助手をしていた。二人はバーゼル在住の謎の大コレクター、バイラーが所蔵するルソー作「夢をみた」の真贋鑑定を依頼される。「夢をみた」はルソーの代表作である「夢」(表紙絵)に酷似している大作であるが、文献には現れていない。バイラーはこの二人をバーゼルの屋敷に招き、一週間滞在させる。初日に「夢をみた」を見るがそれ以降は一週間かけて、ある小説を読み、その内容から七日目に講評を行う。バイラーが満足する講評を行った方に、その絵のハンドリング・ライトを委ねる。もし、そうなれば莫大な利益を得る可能性もある。

小説の中で小説を読むという仕掛けが面白い。その小説にはルソーとピカソの交友と絵の謎に関するヒントが描かれており、この小説の中の謎と現実の謎が交錯する。また、インターポールやバイラー自身の謎もあり、日本人が書いたミステリーとは思えない面白さがある。そして、最後は意外にもハッピー・エンド。

絵画は音楽や文学と違って100億円を超える値が付くものもあり、昔から盗難や贋作事件が多い。そんな事件を扱った美術ミステリーは世界中で小説や映画になっているが、解説の高階秀爾(大原美術館長)は「これまでに書かれたどんな美術ミステリーとも違う」と述べている。 殺人事件が起こるわけでは無し、派手な秘宝争奪戦が演じられるのでもないが、その謎の解明を核として豊かな物語を紡ぎだす筆力に唸らされた、と激賞している。

ウルトラCでやりましょう/二宮ゆき子

東京五輪切符の抽選申し込みはややこしかったですね。カートに入れて、電話もちゃんと掛かったので完了と思ってログアウト。しかしtokyo2020からメールが来ないんで、不審に思い、やり直したらOKになりました。カートに入れた時点で完了と誤解した人も結構いたようです。自分が申し込んだ切符は全部当たると100万円越えなので少々不安もありましたが、結局陸上競技が4枚で、まあまあの処に納まりました。しかし、PCに慣れない年配のに方は無理ですね。

オリンピックの歌となるとやはり三波春夫の「東京五輪音頭」だと思いますが、他にも色々ありました。この歌もその一つです。「ウルトラC」は体操競技でC難度を超える画期的な美技という意味で、当時の流行語になりました。この「ウルトラ」が後のウルトラQとかウルトラマンの元になったという説もあります。 現代の体操ではG難度まであり、当時の難易度Cは今では簡単な部類に入るようです。 処で「ウルトラCでやりましょう」というのは、どういう意味なんでしょう?今までにない新しい技でやりましょう、という事なんでしょうか?

この歌の歌詞は全般的に中々面白いですが、特に3番はトホホ感溢れてます。

色気あるのに ない振り見せて
淑女ぶるのは およしなさい
男心を 顔で読み
お酒飲ませて そのあとは
ウルトラCで やりましょう

これは今で言う逆ナンでしょうか?

全般的に意味は分かりやすいのですが、トホホ度、お笑い度は高得点になりました。この歌はジャケ写からも分かるように当時大ヒットした「まつのき小唄」のB面です。ついでにA面もリンクしておきました。

しかし、来年の東京五輪に関する歌が無いわけでは無いでしょうが、今市盛り上がりませんね。どなたか「東京五輪音頭」に匹敵する新しい国民歌謡を作ってほしいものです。

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★☆
ウルトラCでやりましょう
まつのき小唄