なぜか埼玉/さいたまんぞう

「翔んで埼玉」という映画を見た、一人で。コンセプトは単純で東京、千葉、神奈川などからディスられる「ださいたま」を大袈裟にして映像化したという感じである。原作を読んでいないので、事前の想像とは違っていたが、さいたまが云われなき差別に負けずに頑張る、かつBL絡み、という大活劇となった。 配役は豪華で、二階堂ふみは原作の漫画に合わせてはまり役に見えた。しかし、GACKTと京本政樹と伊勢谷友介の3人が揃うと中々の迫力である。麿赤児にも笑えました。

気楽に笑える映画ではあるが、自分としてはもう少しエグイ、ディすり方を期待していた。例えば春日部と聞いただけで気分が悪くなるというシーンがあったが「春日部は〇〇だから気分が悪くなる」と理由を付けてキチンとディスって欲しかった。この映画を見てディスられている埼玉県人は喜んでいるらしいが、東京でありながらチクッとディスられた田無市(現西東京市)や狛江市の住民はひょっとしたらムカついているかもしれない。

映画が始まると程なく、娘の結納のために熊谷から東京へ軽4ワゴンで農道を走るシーンがあり、カーラジオ(NACK5)が都市伝説と称して話を始め、これが物語の前振りとなる。(軽4ワゴンを運転していたのはブラザートムで久々に元気な姿を見られました。) そこでいきなりこの歌が流れた。この歌がどこかで出てくるとは思っていたが、冒頭からとは意外であった。さいたまんぞうは最近は見かけないが、元気に草野球の審判をやっているという噂を聞いている。さいたまんぞうの歌は玉石混交であるが、このブログでは以前、彼の「さいたまオリンピック音頭」を取上げている。なんとか埼玉に五輪を誘致したいという埼玉愛溢れた佳曲です。

この映画の主題歌は「はなわ」の歌う「埼玉県」でエンドロールに被せて流れた。しかし、歌詞が変わっているような気がする。過激な部分は変更されているようだ。歌詞は変更されているけれど悪くはない。〽さいたま市はひらがな 漢字読めないのかな〽という部分は笑った。

トホホ度 ★★★
お笑い度 ★★☆
意味不明度 ★★★☆

Mr. TENG/渚まゆみ

みうらじゅんからの天狗繋がりでこの歌にしてみました。 ジャケ写の右下をよ~く見てください。小さい字で “SIDE B/Mr. TENG”とあります。B面だからと云ってこの扱いは小さすぎませんか? しかし、実際に聴いてみると確かに特筆大書できる歌では無いことが納得できます。しかも、余り真面目に歌っているという感じもありません。

一体何なんだと思い、調べてみたところ、これは「天狗」という居酒屋チェーン のイメージ・ソングとして作られたのではないか、と思われます。コマーシャルソングとして流されたという記録は無いので「天狗」で飲みながら歌うという事でしょうか?しかし「天狗」チェーンのホーム頁を見てもこの歌については何も書いてありません。(不確かな情報で申し訳ない。)

渚まゆみさんは故浜口庫之助の奥様で、このEPを最後に歌手を引退したそうです。しかし、浜口庫之助の作詞、作曲とはいえ、最後のシングルB面がこれで良いんでしょうか?。評価としては久々のトホホ度満点を献上したいと思います。

トホホ度 ★★★★★
お笑い度 ★★★
意味不明度 ★★★☆

Longest Nose No. 1 / Jun Miura

今年のNHK大河ドラマ「いだてん 東京オリムピック噺」は日本初の五輪出場選手である金栗四三の物語で、現在はストックホルム五輪への旅費、滞在費を兄が工面してくれて感激しているところです。「いだてん」には日本初のスポーツ倶楽部である天狗倶楽部の面々が登場し、前半の筋立てを盛り立てて (?) いるようです。

これを見たみうらじゅんは、やっぱ来たでしょ!天狗に最初に目を付けたのは俺なんだ、と自慢していました。「いだてん」の視聴率が振るわないこともあって本当に天狗が来ているかどうかは分かりませんが、前回紹介した「マイ遺品」のひとつとしてオワコン感溢れる天狗のお面や玩具を密かに収集していたみうらじゅんはやはり大したもんだと思います。

彼は天狗好きが昂じて遂にこんな歌まで出してしまいました。天狗と言わず “Longest Nose No. 1” という題名はかなりトホホ度が高いですが、曲はイマイチで、お笑い度は高得点という訳にはいきませんでした。しかし「テ~ント張ってグー」とか「ボーンと鳴ってノオー」という意味不明のオシャレなリフレインがありましたので、意味不明度は4つ星にしておきました。

ジャケットは彼自身のイラストです。ペンギンが天狗のお面を被っているようですが、それにしては背中が白く、背と腹が逆転しています。実はペンギンではないらしく、これはこれで良いんだそうです。

 

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★
意味不明度 ★★★★

マイ遺品セレクション/みうらじゅん著

みうらじゅんと言えば漫画家、イラストレーター、フォークシンガーから始まり、いとうせいこうとの「見仏記」、「スライドショー」、安齋肇との「勝手に観光協会」 。その他、ゆるキャラ、マイブームと多岐に渡り訳分からん活動を続けています。それが嵩じてついには昨年夏 「第52回仏教伝道文化賞・沼田奨励賞」を受賞したそうです。この賞がどんなもので、どれ位マジなのか(失礼)分かりませんが、たいしたもんです。

この本は還暦を迎えたみうら氏がこれまでの収集品を新聞で公開しており、これを纏めたものです。全部で56種類の「トホホ」感溢れる 「マイ遺品」が紹介されていますが、新聞連載はまだ続いているところを見ると今後更に種類は増えそうです。メインは観光地や温泉の土産物屋で売っている、こんなの誰が買うんかしら、というような人形やペナント、また変軸と名付けている軸物、木彫り等です。またゴムで出来た蛇の玩具である「ゴムヘビ」の収集は彼しかいないでしょう。

新聞連載が元ネタなので、各収集品の白黒写真が載っています。カラーで品物がハッキリ見えるようにすれば良いとも思いますが、そうすると本が厚くなり、値段が上がるにも関わらず、そうやって一所懸命見るほどの物でもないので、これでヨシとしましょう。

これらの中で素晴らしいのは「アウトドア般若心経」。般若心経の278文字を街場の看板から見つけて撮った写真を張り合わせたもので、字によっては中々発見出来ず、完成に3年かかったそうです。タモリ倶楽部で紹介されましたが、これは努力と忍耐の賜物で仏様もさぞ喜んでおられることでしょう。また “Since” に目を付けたのは慧眼と言えます。創業何年という意味で、”since 1954″ とか商店の看板にあります。中には “since 2020” とか “since 320 などという楽しいシンスもありました。

彼は昨年「『ない仕事』の作り方」 という本を出し、かなり売れたようです。アマゾンの読者感想を見ると、人が目を付けないところをビジネスにしてしまう斬新な発想、等のビジネス本としての高評価が寄せられています。また、NHK BSで今月初に放映された「みうらじゅんの最後の講義」では学生や若い社会人に彼の今までの人生をスライドショーのような形で紹介し、聞いていたワカイシはかなり感動してる様子でした。しかし、私に言わせれば本にせよ最後の講義にせよ、要は単なる半笑いのネタであって感動するほどのものではありません。本人はハッキリとは言いませんが、彼の本心は分かります。ワカイシを騙すのは意外に簡単な事のようです。

It Might As Well Be Spring / Lura Fygi

タイトルの”It might as well be spring.”に上手い訳文が思いつきません。そのココロは「立春も過ぎたし、ちょっと無理がありそうだけど、まあ春だ、ちゅうことでいいぢゃね。」てゆう感じ。ちなみにネット検索してみると「まるで春みたい」というのがありました。上手い訳だと思います。訳者には申し訳ないが、これをパクります。それからもう一つ “spring fever” というのが出てきます。直訳すると「春熱」ですが、花粉症ではありません。(ちなみに花粉症は “hay fever” ) 辞書によると「春先のもの憂さ、落ち着かない気分(Weblio)」、「春先に感じる突然の活力感や新たな刺激への欲求 (Longman)」これから春になるという時のモヤモヤ、ムラムラした感情でしょうか? これも上手い訳が思いつかず不本意ながら「春の熱」としました。全体にこれから来る春への期待感、モヤモヤ感が上手く歌われています。ちょうど今頃の季節にピッタリです。

この歌は大御所であるRichard Rodgers(作詞)とOscar Hammerstein II(作曲)が映画 “State Fair” の為に書き下ろしたもので多くのカバーがあります。ローラ・フィジーのバージョンはこれから来る春へのモヤモヤ、ムラムラ感を軽く歌っているところに好感が持てます。 彼女はオランダの元ディスコ・クイーンでCenterfoldというグループで歌っていました。ソロになってから先日亡くなったミッシェ・ルグランやマイケル・フランクスらと共演しボサノバ基調の爽やかなアルバムを作っています。 ちなみに途中のハーモニカソロはトゥーツ・シールマンズ です。

I’m as restless as a willow in a windstorm
私は強い風のなかの柳のように落ち着かない
I’m as jumpy as a puppet on a string
私は操り人形のように跳ねている
I’d say that I had spring fever
私は春の熱にかかっているようだ
But I know it isn’t spring
でも私は春ぢゃないって知っている

I am starry eyed and vaguely discontented
私は夢見心地で何となく不機嫌
Like a nightingale without a song to sing
歌う歌が無いナイチンゲールのように
Oh why should I have spring fever
ああ、何故私は春の熱にかからなきゃならないの
When it isn’t even spring
まだ春でもない時に

I keep wishing I were someone else walking down a strange new street
私はずっと願ってる、誰か他の人になって見知らぬ新しい通りを歩けたら
And hearing words that I’ve never heard from a man I’ve yet to meet
そして、まだ会った事のない人から聞いた事の無い言葉を聞けたらって

I’m as busy as a spider spinning daydreams
私はまるで白昼夢の糸を紡ぐ蜘蛛のように忙しい
I’m as giddy as a baby on a swing
私はブランコに乗った赤ん坊のように目が回ってる
I haven’t seen a crocus or a rosebud or a robin on the wing
私はまだクロッカスもバラの蕾もコマドリが飛んでいるのも見ていない
But I feel so gay in a melancholy way
でも私は憂鬱なのにとっても陽気
That it might as well be spring
それは、まるで春みたい 
It might as well be spring
まるで春みたい


Centerfold時代のLaura Fygi

Blue Valentine / Tom Waits

バレンタイン・デーが近いので何か縁のある歌を探していたら、これを見つけた。最近邦楽ばかりだったので、久々に極私的洋楽解釈にしてみました。トム・ウェイツは以前ピーター・バラカンの番組で散々聞かされたんですが、内容が簡単でなく歌詞を見ないと理解できません。お聞きの通り、悲しいストーリーを酒で焼けたシワガレ声をふり絞り、訴えるように歌っています。彼はインタビューで「自分は聞く映画を作りたいと思っていた。(中略)ノンフィクションの世界に フィクションを持ち込みたい。」と語っている。”I used to think I was making movies for the ears – writing them, directing them, releasing them. Kind of making a fiction in a non-fiction world

彼女に酷いことをした。名前を変えてまで逃げ回っている。でも彼女は自分の居所を突き止め、ブルー・バレンタインを送ってくる。まるで逮捕状のようだ。それは忘れかけた夢のようであり、靴の中に入り込んだ小石のようでもある。俺の心は傷ついているが、未だ歩き回る自由はある。でもお前のブルーバレンタインは消し去れない罪を思い出させ、それを忘れるために痛飲する。そしてバレンタインデーが来るたびに俺は少しずつ死んでいく。

ブルー・バレンタインは悲しいとか寂しいバレンタインディのカードという意味だろうと思うのですが、適当な訳語を思いつかず、そのままにしました。訳はいつものように直訳調です。

She sends me blue valentines all the way from Philadelphia
わざわざフィラデルフィアから彼女はブルー・バレンタインを送ってくる
To mark the anniversary of someone that I used to be
昔、俺が馴染んだ誰かとの記念にするため
And it feels like a warrant is out for my arrest
そして、まるで俺の逮捕状が出ているみたいだ
Baby, you got me checkin’ in my rear view mirror
お前はバックミラーで俺をチェックしてた
That’s why I’m always on the run
だから、俺はいつも逃げ続けてる
That’s why I changed my name
だから俺は名前を変えたんだ
And I didn’t think you’d ever find me here
そしてお前がここで俺を見つけるだろうとは思ってもみなかった

To send me blue valentines like half forgotten dreams, like a pebble in my shoe as I walk these streets
半分忘れかけた夢のような、通りを歩いているとき靴の中に入り込んだ小石のように俺にブルーバレンタインを送る
And the ghost of your memory
お前の記憶の中の亡霊は
Baby, it’s the thistle in the kiss
お前、それは接吻の時のアザミの棘だ
It’s the burglar that can break a rose’s neck
それは薔薇の首を折る強盗だ
It’s the tatooed broken promise I gotta hide beneath my sleeve
それは俺が袖の下に隠している刺青入りの果たせなかった約束
I’m on a see you every time I turn my back
俺は振り返ると、いつもおまえを見る

Oh, you send me blue valentines though I try to remain at large
ああ、俺はいつも通り自由でいたいのに、お前はブルー・ヴァレンタインを送ってくる
They’re insisting that our love must have a eulogy
俺たちの愛は賞賛されるべきだと皆が言い張る
Why do I save all this madness here in the nightstand drawer
なぜ俺はこの全ての狂気をこのナイトスタンドの引出しまっているのか
There to haunt ‘pon my shoulders
俺を悩ますだけなのに
Baby, I know I’d be luckier to walk around everywhere I go with this blind and broken heart that sleeps beneath my lapel
ベイビー、俺の襟の下で眠っているこの盲目で傷ついた心と共にあちこち歩き回れるだけで運がいいことを俺は分かっている

Instead these blue valentines to remind me of my cardinal sin I can never wash the guilt
そのかわり、ブルー・ヴァレンタインは俺が洗い流す事のできない有罪の過失を思い出させてくれる
Or get these bloodstains off my hands and it takes a whole lot of whiskey to make these nightmares go away
或は、両手に付いた血痕を拭い去り、悪夢を追い払うため大量のウイスキーを飲む
And I cut my bleedin’ heart out every night
そして、毎晩ひどく痛めた心を切り刻む
And I’m gonna die just a little more on each St. Valentine’s day
そして、セント・ヴァレンタイン・デーが来るたびに少しずつ死んで行くのさ

Don’t you remember I promised
おまえに約束したことを憶えているかい
I would write (to) you
手紙を出すよ
These blue valentines
ブルーバレンタイン
Blue Valentine
ブルーバレンタイン

無駄な抵抗やめましょう/ちあきなおみ

最近小室圭さんの話題が多い。約400万円の借金問題を週刊女性にすっぱ抜かれ、秋篠宮ご夫妻は怒り心頭、婚約延期。良かれと思って発表した小室さんの釈明文に非難囂々。週刊新潮先週号によれば、小室圭さんの母上が天皇陛下への直訴を画策しているというトンデモスクープ。その記事の中見出しが「無駄な抵抗」

「無駄な抵抗」でふと思い出したのがこの歌。ちあき なおみは急に見なくなったので死んだのかと思ってたら、ご主人がお亡くなりになったのを期に引退されたようです。それ以降、山口百恵同様全くマスコミに姿を表していません。現役の時はヒット曲が色々ありましたが引退してから、返って非常に歌の上手い歌手という定評が定まったような感じがします。

作詞はなかにし礼。
 〽嘘をついても だめなのね
  へたなごまかし 効かないわ
  無駄な抵抗やめましょう

無駄な抵抗を止めろと言っているのかと思ったら、実は無駄な抵抗しているのは自分だというトホホ感溢れる歌詞。流石なかにし礼です。珍盤・奇盤のカテゴリに分類するのは申し訳ない気がしますが、やはり半笑いできます。

余談ですが「無駄な抵抗」の初出をヤフー知恵袋で調べると、あさま山荘事件の「無駄な抵抗を止めてすぐに出てこい」という警察から犯人への呼びかけであるという説がありました。そう言われるとそんな気がします。

トホホ度 ★★★☆
お笑い度 ★★★
意味不明度 ★★