とん平のヘイ・ユウ・ブルース/左とん平

新聞によりますと2月24日に左とん平さんがお亡くなりになったそうです。享年80。

私は「時間ですよ」や「寺内貫太郎一家」に出ていたとん平を良く覚えていますが代表作と言われる「非情のライセンス」は残念ながら見ていません。

「寺内貫太郎一家」はBSで再放送しているらしく今日のラジオビバリー昼ズで高田文夫が、とん平は石工、その先輩が伴淳三郎、近所の花屋の大将が由利徹という配役で最高だね、と嬉しそうでした。樹木希林がジュリーのポスターの前で「じゅり~」と身体を震わせるギャグは有名ですが、あの時彼女は30歳。本人によれば顔は老けメイクでどうにでもなるが、手が若く見えるというので、いつも指先が出ている手袋をしていたそうです。

タイトルの”Hey you what’s your name?”はその昔トニー谷がそろばんカチャカチャさせながら「あなたのお名前何てぇの?」と呼びかけてた台詞を英語化したものという解説がネットにありましたが、本当かどうか不明です。

この歌、改めて聞き直してみると、重厚なブラスをバックに叫んでいる声が迫力があり、聞かせてくれます。以前のブログ記事が残っていましたので、復刻してみましたが、かなりの酷評で少々言い過ぎかなと反省しています。バックは編曲とピアノが深町淳。ドラムが村上ポンタ秀一、サックス村岡健等々、錚々たるミュージシャンが揃っています。

……復刻・再掲<2011.10.11>

この歌はお聴きになればお分かりの通り、バックの盛り上げに合わせて左とん平が上手くシャウトしてR&Bとして見ればなかなかの佳曲ではあります。その証拠に既に3度も再発され、最近のクラブでかかっていたという耳撃情報もあります。しかし、しかしです。祇園精舎の鐘の音からはじまり、すりこぎがどうした、お前はだれだ、等と喚くばかりでさっぱり意味不明です。どうも自分がこき使われて苦しいんだよ、と言いたいんでしょうが、かなりの無理があります。少々甘めかも知れませんが、意味不明度には満点を差し上げましょう。

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★☆
意味不明度 ★★★★★

 

 

わたし今夜もイライラよ/五月みどり

山下達郎がサンデーソングブックの珍盤奇盤特集や邦楽特集で遠藤実という作曲家の偉大さを語っていたのを覚えています。その時はすぐに腑に落ちなかったkれども、考えてみれば山本リンダの「こまっちゃうな」を作曲したというだけでも偉大な功績だと納得させられるものがある。

この歌は遠藤実御大が作曲のみならず、作詞までしたという力の入れよう。テツマンとかチューリップなどという懐かしい昭和の語彙とヤンヤホッホ、ヤンヤホッホという平成の作詞家では絶対に真似の出来ない掛け声。これに五月みどりのパーソナリティが相まってかなり出来の良いトホホな曲に仕上がっています。

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★★

陳平 ここだけの話/野末陳平

ニッポン放送で高田文夫が野末陳平が出した新しい本を読んで「これが、おもしれぇんだよ」と喜んでいた。陳平は今年アラナインの86歳。最近見ないけどもうボケたのかと思っていた。高田文夫によればTBSラジオの「爆笑問題の日曜サンデー」に出るらしい。(しかし、どうでも良いけどこのタイトルなんとかなんないかね。日曜はサンデーに決まってるだろう。)

そこで普段聞かない日曜サンデーを聞いてみた。本当に陳平が来るのかね、どうせ来てもまともな話できないんぢゃないか、と思っていたが、とんでもない。声だけ聞いていると昔と同じ喋り。「チンチン・ルンバ」が聞こえて来るような気がした。(チンチン・ルンバは昔の陳平の番組のテーマソング。長い事探しているが、未だに音が見つからない)話の中身は基本的に本の宣伝であるが、話にちゃんと掴みとオチがついており、爆笑問題のご両人もバカ受けであった。

本は学生時代から今日まで交友関係の面白い話を纏めている。陳平は学生時代から放送作家をしていたが、当時は野坂昭如の方がはるかに売れていた。その野坂の発案でワセダ中退、落第のコンビ名で漫才をやったが全く受けない。そこに同じ劇場で漫談をやっていた柳家こゑん時代の立川談志が出てきて「下手くそッ、笑いのコツ教えてやらぁ」といきなり言われたのが談志との初対面だったようです。

談志との交流は長く、東京MX TVでは「談志・陳平の言いたい放だい」という番組を長くやっていた。この歳で二人がハリセンで頭を叩きあったり、また、ゲストに吉村作治やこないだ自殺した西部邁なんかが出て来て中々面白い番組であった。(youtubeで見られます)

談志とのエピソードで笑えるのはふとしたことから「陳平と大げんかした。あいつが来てももう楽屋に入れるな。めしも食わすな。絶交だ!」と喚き、弟子は師匠の命令に忠実に従うが、談志本人は寂しくなったのか、そうっと陳平の家に言って呼鈴を押してみる。しかし、呼鈴は切れていて陳平は気が付かない。電話してみるが留守電なので、何も言わずに切ってしまう。しかし、何度も掛かっていた無言電話を聞いて、陳平は談志からだと直感する。陳平から談志に電話して元に戻った。これを聞いていた太田光が「これぢゃ、まるきり傘碁ぢゃねえか」と大笑い。(傘碁は古典落語の演目。これ知ってると結構受けるエピソードです。)

久方ぶりに陳平の元気な喋りを聞き、簡潔に纏まった本を読み、なんとなく、嬉しいような気がした次第であります。

ホテル/立花淳一

巷では不倫、不倫と毎週のように文春砲が炸裂していますが、なんとこないだはキョンキョンまでが「なんてったってフリーン」とか言い出しちゃって、もう大変。私も不倫クラブのメンバーになりたいもんです。

考えてみると不倫をテーマにした歌は最近は少ないですが、昭和歌謡の時代には沢山ありました。その中で、名曲は何かと考えるとやはり、これでしょう。「ホテルであぁあって、ホテルで別れる」という非常に分かりやすい歌詞。やはり作詞はなかにし礼氏でした。(浜圭介作曲)

立花淳一はウィキペディアによると、五月みどりの三度目の夫だったそうですが、それ以外には目立った記述はありませんでした。色々な歌を出してますが、やはり「ホテル」の一発屋と言っても過言ではないでしょう。改めてじっくり聞いてみると、もうこんな歌は二度と出てこないだろうという気がします。まさしく昭和の遺産です。

雪子のロック/藤健次

昨日発売のブルータス2月15日号は「山下達郎サンデー・ソングブック25周年記念」と題して山下達郎のこれまでのサンデー・ソングブックで掛かった曲や作曲家、プロデューサーが細かく解説されており、貴重な資料になっています。

この中でやはり「珍盤・奇盤」が紹介されています。私が珍盤・奇盤を集め始めたのは「このブログの由来」にもありますように2001年の珍盤・奇盤特集を聞いてからでした。それから、それらの曲を全て集め始めたのですが「雪子のロック」にはてこずりました。

歌っているのは藤健次という歌手で元々は高倉一志という名前でスリー・ファンキーズに居たそうです。脱退後藤健次と名前を変えてこの曲を吹き込んでいます。しかし、この曲には訳分からん経緯があり、32秒しかありません。元歌を途中でカットし、誰かが最後の部分に効果音をくっ付けたらしいんです。私は原曲を聞いた事は無いんですが、聞いた方の話によるとなんとなく流れるどうといった事のないバラード風の歌謡曲らしいです。

本誌によると、これを始めて聞いた山下氏は文字通り笑い転げ、早速番組で取り上げたそうです。自分もその番組で聞いた時はかなり激しくたまげましたが、今聞いてみるとそうでもないような気がします。あれから20年弱を経過し、私の純な心情が汚れ、鈍麻してしまったのでしょうか?

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★☆
意味不明度 ★★★★☆

<2018.02.05 追記>
雪子のロックのオリジナルを入手しました。色々叫んだりなんかして、それなりに聞けます。しかし、一体どこがロックなんだ、と突っ込みたくなります。