朝の蝶/鶴岡雅義と東京ロマンチカ

この歌は鶴岡雅義と東京ロマンチカが歌ってますが、ボーカルは三条正人では無く、縣浩也(あがたひろや)という人だそうです。そのせいか、曲調は敏いとうとハッピーアンドブルーという感じです。鶴岡雅義お得意のレキントギターのソロもありません。

歌詞は軽いリズムに乗ってさらっと流れていきますが、突っ込みどころ満載です。
「朝の蝶だと私を抱いた 広い背中が鏡に映る」<—鏡張りの部屋に居るようです。
「掘れても~惚れてもないのに、男ってあんなに激しくなれるのね」<—御意

夜の蝶はどこの盛り場でも毎夜遊弋していますが、朝の蝶というのは初めてその生態が確認されたようです。この歌はカラオケで無く、最近息を吹き返してきたスナックのカウンターで新入りの娘をチラ見しながらニヤニヤ顔で歌うのにピッタリな歌ではないでしょうか。

トホホ度 ★★★☆
お笑い度 ★★★
意味不明度 ★★

孤狼の血/柚月裕子著

最近映画「孤狼の血」の宣伝がTVやネットで繰り返し放送されている。最初はボヤッと見ていたが、著者の柚月裕子が「『仁義なき戦い』なくしてはありえなかった作品」と述べているのを知って興味が湧いた。自分はヤクザ映画を沢山見ている訳ではないが「仁義なき戦い」には強烈な印象がある。著者はこれをレンタル店で借りて「世の中にこんな凄い映画があったのかと、脳天をかち割られるほどの衝撃を受けた」ので、すぐにDVDで「仁義なき戦い」全巻を購入したそうです。

本作は「仁義なき戦い」同様、広島県を舞台に県警のベテラン刑事大上(映画では役所広司)とその部下になった新米刑事日岡(松阪桃李)が架空の町である広島県呉原市で暴力団抗争を防ごうと必死の立ち回りを繰り広げる。そこに居酒屋の女将(真木よう子)が絡んでくる。大上は暴力団の内情を通じていると共に癒着が噂されており、日岡は大上の違法捜査に不服ながらもついていく。

このプロットは名作と言われる「県警対組織暴力」(笠松和夫脚本 深作欣二監督 菅原文太 松方弘樹 梅宮辰夫 佐野浅夫等)に倣っており、ここでは菅原文太が暴力団と癒着した刑事を演じていた。これは実録物であるが、本作は完全に創作である。全編に渡り、だれ場が無く、現場での捜査、組の事務所に乗り込んでの交渉、県警での取調べなど緊張感をもって進行していく。最終章近くになって県警の汚職が明らかになり「ナヌ!」最後に「エェ!」という意外な結末。著者の巧みな構成力を感じる。最後の2頁のプロローグも洒落ている。

DVDで初めて「仁義なき戦い」を見た女性が取材の賜物とはいえ、これだけのヤクザ小説を書けるとは全くの驚きである。広島県警内の上司と部下のやり取り、ヤクザ組織の構成や抗争、広島弁のヤクザ言葉等々大したものだと思う。

話は変わるが、昨年5月に広島県警で証拠として保管していた8,500万円が盗まれるという事件があった。どう見ても県警内部の犯行としか思われず、職員全員を虱潰しにあたればすぐに犯人を検挙出来そうなものであるが、未だに解決していない。この小説を読んで、同じ広島県警という事もあり、この事件をふと思い出した。

もてたつもりの数え唄/梅宮辰夫

最近、人生に「モテ期」が3度ある、と聞くが、本当にそうか?自分に果たしてモテ期があったのか、と考えてみるに、特に思い当たる処が無い。しかし「モテたつもり期」なら確かにあったと思う。「モテたつもり期」とは要するに手玉に取られた時期。これは古今東西何処にでもあるんだろうが、古今亭志ん生は落語の廓話のマクラとしてこんな話をしている。

一人の芸者が並んだお膳の前で3人の客を相手する。左の客の膝に手を置きながら真ん中の客に酌をし、その時に右の客の目を見てにこりと笑う。左の男は「俺の身体に触っているのは、もしかしてだけど俺に抱かれたいのか?」真ん中の客は「まず俺に酌をしてくれるのは俺に惚れている証拠だ」右の客は「芸者だから、色々営業は大変だろうが、俺の顔を見て愛想を振りまくからには俺が本命だ」これで3人がコロリと参ってしまう。手練の芸者にしてみれば簡単なもんだろう。

この歌は将に「もてたつもり」を歌にし、浜口庫之助が上手くメロディを付けているが、もう少し歌詞に工夫が欲しかった気もする。梅宮辰夫の歌は上手いとは言えないが、ミョーな台詞が入ることもあり、トホホ度は満点を献上しました。彼の歌で一番の傑作はこのブログでも紹介した「シンボル・ロック」(2017.3.7)であるが、本作も高く評価したい。

トホホ度 ★★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★★

ひょっこりひょうたん島/夏木マリ

夏木マリ氏は「もお~いや、絹の靴下は、高いわりにはすぐいっちゃう」とお色気十分な歌とクネクネで一世を風靡してましたが、こんなのも歌っているんです。

このアルバムは高度成長期のヒット曲のカバー集です。しかし、聞いてみると何だか分かったような分からない編曲です。バックは実に気持ちよく演奏しているようですが、肝心の夏木マリのボーカルに寄り添う気配は微塵もなく、ただひたすら勝手に動いていくという感じです。多分、彼女はかなり歌いにくかったのではないでしょうか。

珍盤・奇盤に分類しては申し訳ないという気もしますが、今後このような曲は二度と現れないだろうという事で、評価してみました。

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★

春がいっぱい/シャドウズ

桜も終わり、初夏を思わせるような日もあれば、朝方寒さに目が覚めるというような日もあり、将に春本番となって参いりました。昔のラジオはこの季節になると必ずDJ又はパーソナリティ氏が「朝、眠いですねぇ、春眠暁を覚えず、云々」と言ってこの曲を掛けていました。

原題は”Spring is near here.”ですが「春がいっぱい」とは良い邦題を付けたものです。シャドウズは英国のロックバンドでビートルズの少し先輩にあたり、クリフ・リチャードとの共演でも知られています。ヒット曲は色々ありますが、この曲は「日本だけで売れた洋楽」の一つです。春真っ只中、なんだか眠いような、けだるいような雰囲気が良く出ています。

嘆きのボイン/月亭可朝

今朝の朝刊によれば月亭可朝さんが3月28日にお亡くなりになったそうです。享年80。コテコテの関西人だと思ってましたが、記事によれば生まれは神奈川県だうそうです。

月亭可朝は言うまでも無く落語家です。が、彼の落語をTVで聞いたことはあるんですが殆ど覚えてません。参院選に出て二度落選、ストーカー等々話題は色々ありますが、やは可朝といえばこの歌でしょう。歌もさることながら、このジャケット写真で堂々とレコード店で売られていた訳で、今ではとっても無理でしょう。

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★★

呪い/山崎ハコ

今年は寒い寒いと思っているうちに急に暖かくなって意外にも桜が早く咲き、4月に入って既に会社の前は葉桜になってしまいました。今日も暖かい好天で新入社員と思しき若者が街をウロウロしています。自分の新入社員当時を思い出し「散る花や 昭和は 遠くになりにけり」という心情です。

こんな明るい気分のこの時期に何故かこの歌を思い出してしまいました。要するに藁人形に釘を打っている訳ですが、「釘を打つ」と言わずに「釘を刺す」としてあるところに凄味があります。歌詞は結構きついのですが、歌い方は割とサラッとしているので、何とか聞けるという感じです。一応、カテゴリは珍盤・奇盤としてみましたが、採点のしようがありません。こんな歌が発売された昭和というのは本当に良い時代でした。
 

トホホ度
お笑い度
意味不明度

ヤットン節/久保幸江

今年は寒かったので、桜は遅いかと思ってましたが、会社の周りの花は既に七分咲きという処です。今週いっぱいが見ごろでしょうか。

桜と言えば花見。あちこち桜の名所では大変な騒ぎでしょう。私も前の会社でワカイシに朝から上野の山の場所取りをさせた事がありますが、昨今はパワハラとか言われて、こういう事もやりにくくなっているのかも知れません。

宴会の席で歌う酒に纏わる歌は山ほどあるでしょうが、この歌は典型的なクラシック。以前は宴席で聞く事もありましたが、最近は忘れ去られているような気がします。調子の良い七五調の歌詞で、酒飲みの気持ちが率直に出ており一度聞くと耳の奥に残ります。A面のトンコ節も後世に伝えたい名曲です。これは別の機会に紹介します。

………..<2018.03.29追記>………………….

やはり、A面のトンコ節が聞けないのは寂しいと思い、追加しました。

Crazy / Patsy Cline

宮地淳一氏はかつて某レコード会社の社員であった。昔(30年くらい前か)カラオケをアメリカに売り込む事になり、その当時の話をラジオで語っていた。

設備は電源電圧を変えたり、操作パネルや取説を英語に翻訳するだけだが、問題はどんな歌を入れるか?そこで、米国に乗込み、放送局、レコード店、ジューク・ボックス等を調べて歩いた。その時、何人かのDJに直接聞いてみると彼らが異口同音に、絶対入れるべきと言った曲はウィリー・ネルソン作曲でカントリー&ウェスタン歌手のパッツィー・クラインが歌う「クレイジー」だったそうです。

この歌はこのブログのメニューにある「昔のTOP 100」の曲名検索欄に「crazy」と入れても出てこないので、大ヒットという訳ではないようだが、当時の米人は老若男女、誰でも知っていて人気があったようです。

この歌を聞くと、何故か昔見たアメリカのTV番組、名犬ラッシーとかルーシー・ショーなんかの一場面を思い出します。古き良き時代(ベトナム戦争以前)のアメリカ白人家庭で、デッカイ冷蔵庫があり、食卓で子供が母親が作ったハンバーガーを食べながら特大の瓶から牛乳を飲んでいる。その脇の戸棚に置かれている当時最新の5球スーパーラジオから、この歌が流れてくるような。米人にとってカントリー&ウェスタンというのは卑近な例ではあるが日本人の演歌というところでしょうか?

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Crazy, I’m crazy for feeling so lonely
気が狂いそう、とても寂しくて気が狂いそう
I’m crazy, crazy for feeling so blue
気が狂いそう、とても憂鬱で気が狂いそう
I knew you’d love me as long as you wanted
僕は君が望む限り、僕を愛してくれるって知っている
And then someday you’d leave me for somebody new
そして、いつか、新しい誰かのために僕から離れていく
Worry, why do I let myself worry?
心配、どうして僕は心配しなけりゃならないんだ
Wondering what in the world did I do?
一体全体、僕が何をしたというのか
Crazy for thinking that my love could hold you
気が狂いそう、僕の愛が君を繋ぎ止められるか考えるだけで
I’m crazy for trying and crazy for crying
僕はなんとか頑張って、泣いて、気が狂いそう
And I’m crazy for loving you
そして、僕は君を気が狂わんばかりに愛しているんだ
Crazy for thinking that my love could hold you
気が狂いそう、僕の愛が君を繋ぎ止められるか考えるだけで
I’m crazy for trying and crazy for crying
僕は君を気が狂わんばかりに愛しているんだ
And I’m crazy for loving you.
そして、僕は君を気が狂わんばかりに愛しているんだ

イエローサブマリン音頭/金沢明子

大滝詠一氏が突如亡くなられてから早いものでもう4年が過ぎました。私も学生の頃Niagara Moonを買って何度も聞いていました。当時はゴリゴリの硬派ジャズファンの雰囲気を醸し出すべく、ジャズ喫茶に行き、渡辺貞夫の真似してハイライト吸いながら、訳分からん本読んで青い顔してました。そんな頃、友人には大滝詠一のLPを買った事を隠してましたが、何かの拍子でばれてしまい、それからは大っぴらに明るい雰囲気で大滝詠一の歌を聞く事が出来るようになりました。

大滝さんというとクレージー・キャッツ再ブレークとか小林旭研究が有名ですが、もう一つエルビス・プレスリー研究では世界有数と言えるでしょう。特にエルビスデビュー前のデモ・テープのコレクションは誰か纏めて世に出して欲しいものです。イエロー・サブマリン音頭も大滝氏プロデュースらしい傑作です。

<復刻・再掲: 2004.12.18>…………………

この「イエローサブマリン音頭」は我国近代音頭界の重鎮である大滝詠一氏プロデュースによる傑作である。成功の要因はまず歌手として金沢明子の起用であろう。彼女の伸びのある高音が音頭という様式美にぴったりと言える。また、誰もが知っているビートルズのイエローサブマリンを素材とした事も大滝氏のセンスが光ると言えよう。尚、編曲はクレージーキャッツの一連の作品で著名な萩原哲晶である。

 

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★