I Love My Shirt / Donovan

毎週日曜日の17:55からラジオ日本(昔のラジ関)で放送中の「宮治淳一のラジオ名盤アワー」を録音し、ウォークマンで聞いている。この番組はラジ関時代に収集されたEP盤を「日本一のレコード好き男」と自称する宮治淳一氏が選曲してかける、ただ、それだけの番組であ。しかし自分の知ってる曲、知らない曲入り混じり宮治氏の興味深い解説もありで、面白い。以前このブログで紹介した”Crazy”(3月19日)もこの番組で聞いた。

先日、昼休みに辛味噌ラーメンを喰いながら聞いていたら、突如この歌が掛かった。ドノバンである。この歌は高校時代に何度も聞いた、だから覚えているのであるが、それから幾星霜、記憶の彼方に飛んでしまっていたドノバンが突如蘇ったのだ。大袈裟でなくジーンと来て、ラーメンの辛さもあり、つい涙目になってしまいました。

ドノバンはもう忘れられているかもしれませんが、デビュー当時はにボブ・ディランかドノバンかと言われ(勿論ボブ・ディランの勝利であるが)色々ヒット曲があり「サンシャイン・スーパーマン」や「メロー・イエロー」は今でも覚えている。

この歌(邦題:ぼくの好きなシャツ)は僕の好きなシャツ、ジーンズ、シューズがある。褪せても、擦り切れても、穴があいてもそれが良いんだよ、という実にホノボノ、のんびりとした歌です。こんな歌がヒット・チャートに入っていたんだから、当時は良い時代だったとシミジミ思う今日この頃です。

Do you have a shirt that you really love?
あなたは本当に好きなシャツを持ってますか?
One that you feel so groovy in ?
あなたがとってもカッコ良いと感じるやつ
You don’t even mind if it starts to fade
貴方はもしさシャツが褪せ始めても心配なんかありません
That only makes it nicer still
それだけでシャツが更に良くなります。

I love my shirt, I love my shirt
僕は僕のシャツが好き、僕は僕のシャツが好き、
My shirt is so comfortably lovely
僕のシャツはとても気持ちよくてかわいい
I love my shirt, I love my shirt
僕は僕のシャツが好き、僕は僕のシャツが好き、
My shirt is so comfortably lovely
僕のシャツはとても気持ちよくて帰ってかわいい

Do you have some jeans that you really love?
あなたは本当に好きなジーンズ持ってますか?
Ones that you feel so groovy in ?
あなたがとってもカッコ良いと感じるやつ
You don’t even mind if they start to fray
貴方はもしジーンズが擦り切れ始めても心配なんかありません
That only makes them nicer still
それだけでジーンズが更に良くなります。

I love my jeans, I love my jeans
僕は僕のジーンズが好き、僕は僕のジーンズが好き、
My jeans are so comfortably lovely
僕のジーンズはとても気持ちよくてかわいい
I love my jeans, I love my jeans
僕は僕のジーンズが好き、僕は僕のジーンズが好き、
My jeans are so comfortably lovely
僕のジーンズはとても気持ちよくてかわいい

When they are taken to the cleaners
それらが洗濯屋に持って行かれた時
I can’t wait to get them home again
僕はそれらがまた帰ってくるのを待てない
Yes, I take ‘em to the cleaners
ええ、僕はそれらを洗濯屋に持って行く
And there they wash them in a stream
そしてそこで、洗濯屋は次々にそれらを洗う
Scrub a dub dub
ゴシゴシ ジャブジャブ(注)
And there they wash them in a stream 
そして洗濯屋はそれらを次々にあらう。
Know what I mean
意味わかる?

Do you have some shoes that you really love?
あなたは本当に好きな靴を持ってますか?
Ones that you feel so flash in ?
あなたがとってもカッコ良いと感じるやつ
You don’t even mind if they start to get some holes in
貴方はもし靴に穴が空き始めても心配なんかありません
That only makes them nicer still
それだけで靴が更に良くなります

I love my shoes, I love my shoes
僕は僕の靴が好き、僕は僕の靴が好き、
My shoes are so comfortably lovely
僕の靴はとても気持ちよくてかわいい
I love my jeans, I love my jeans
僕は僕のジーンズが好き、僕は僕のジーンズが好き、
My jeans are so comfortably lovely
僕のジーンズはとても気持ちよく可愛い
I love my shirt, I love my shirt
僕は僕のシャツが好き、僕は僕のシャツが好き、
In fact, I love my wardrobe
実際、僕は自分の衣装が好き

 

(注)”Scrub a dub dub”は嫌がる子供を風呂にいれるため、母親が歌って聞かせる一種の童謡で、英語人なら誰でも知っている筈です。綴りや歌詞に色々バリエーションがあり、どれが定本かは不明です。この歌を持ち出すあたりはドノバンの優しい性格の発露でしょうか。

セックスと恋愛の経済学/マリア・アドシェイド著 酒井泰介訳

著者はカナダのブリティッシュコロンビア大学の経済学教授で”Dollars and Sex”というタイトル(分かりやすいタイトルです)で彼女の講義を纏めたものです。セックスと恋愛に関する問題を経済学的知見を持って解くことが目的であり、そのため多くの調査、文献の検討を行い、問題の解と今後の見通しを記述しています。例えば娘を大学に行かせるにあたり親としては貞操が心配である。この場合どちらの大学へ行かせるべきか?
(1)男子学生の割合が多い大学
(2)女子学生の割合が多い大学
答えは(1)。何故か?「物価は需要と供給によって決定される」という原則が適用され(1)では男子学生数が多いため、需要過多となるので女子学生は安売りする必要が無い。(2)では逆に供給過多になり、女子学生間の競争が発生するため、どうしても安売りとなる。

こんな調子で恋愛、結婚、不倫、売春、離婚、LGBT等が論じられていく。各検討には米国とカナダのデータが使われており、これらのデータの中で重要な因子は学歴、人種、宗教、収入である。イケメンがブサイクかは定量的に表しにくいが、勿論検討の因子加えられており特にSNSの婚活サイトでは豊富なデータが収集できている。

米国やカナダのような学歴社会では学歴によって就職、ひいては生涯年収が決まってしまう。しかしながら大学の授業料は非常に高く、優秀であれば奨学金を得られるが、そうでない場合は我が家の収入を考えて進学を諦める場合も多い。十代の妊娠が白人と黒人では黒人、富裕層と貧困層では貧困層の方が多いが、これは大学進学の見込みのある女子高生は妊娠によって大学進学に支障が出る可能性があるため慎重になる。しかし、進学を諦めている女子高生はそのような抑止力が働かない。

米国で生徒の妊娠を防ぐため無料コンドームを配布した高校がある。しかし妊娠は増加した。著者は「初体験は経済学的に言えば固定費用を払うことと心理的に似たところがあります。(中略)学校がコンドームを置くようになると、純潔喪失の期待費用が下がり、すると短期的にも長期的にも性行動を促すようになるのです。学生たちは早く性体験に踏み切るようになり(短期的反応)その後もセックスをし続ける(長期的反応)のです。短期的にはコンドームの装着率が上がり妊娠率は下がるかもしれません。しかし、長期的な妊娠率は上がる可能性があります。コンドームはえてして間違った装着法をされるからです。」(ここで費用はコスト、すなわちリスクと読み替えると分かりやすい。)

その他に面白いのはネットの婚活サイトの調査。例えば女性は貧乏イケメンと金持ちブサイクの二者択一なら金持ちブサイクを選ぶ。では貧乏イケメンと金持ちイケメンではどちらが交渉成立しやすいか?答は貧乏イケメン。彼女達は金持ちイケメンの方が浮気の危険性が高いが貧乏イケメンは安心できると考えているらしい。

一般的に婚活サイトに登録する男女は、共に自身のプロフィール(身長、体重、学歴、年収等)をある程度盛る傾向があり、写真も少し若い頃の写りの良いものをアップする。婚活サイトではまず自分の理想とする身長、年収、学歴等をキーとして検索するため、まずはその検索に残る必要があるからだ。勿論検索する方も盛っているためお互い様だが、どちらもある程度自分の希望に合う人を探し出せる筈である。しかしながら、成立したカップルという婚活市場の平衡状態を調べると、男女とも当初に描いていた好み通りの相手と結婚しているとは限らない。彼らは結果的には自分と結婚してくれる相手と結婚している。要するに妥協の産物という事になります。(これ位の事は研究しなくても分かるような気がしますが)

これ以外に著者は今後の研究課題も提起しています。例えば好景気になると豊胸手術が増加する。景気後退局面には口紅がよく売れる。不景気な時は整形手術は高いので口紅を買う位にしておくという事らしい。そうであるならば不景気な時は買春を諦めてお手軽な性玩具が売れるのではないか?すなわち「性玩具の市場動向が景気の先行指標たりえるか?」という問題です。新しい研究が纏まれば彼女のホームページに公開される筈ですので、それまで楽しみに待ちましょう。

このように本書は統計的、経済学的手法により様々な問題を解き明かしており、結局セックスも恋愛も「費用対効果」の観点から説明できる事が良く分かります。

しかしながら、これらの研究は全て、米国、カナダでのデータに基づいて分析されているため米国ほどの学歴社会では無い日本ではどうなのか、が分かりません。巻末に約100件の参考文献がリストされていますが、この中に日本の研究成果は一篇もありませんでした。(一つだけ共著者に日本人らしき名前が見つかりましたが、本当に日本人かどうかは不明です。)もっとも日本人研究者が「性玩具市場動向調査」という名目で文科省に科研費を申請しても、通る見込みは無いと思いでしょう。

巻末にリストされている文献でインターネット検索でヒットしたものを少し眺めてみましたが面白いです。試しに本書の最初に引用されている文献を紹介しましょう。全文を引用する紙幅はないため結果を纏めたグラフのみを貼り付けています。タイトルは「男性の器官と経済成長:サイズが問題か?」

Westling, Tatu. “Male Organ and Economic Growth: Does Size Matter?”
Helsinki Center of Economics Research Discussion Paper, 2011

Figure 1は少々見にくいですが横軸を各国の平均男根長(cm)、縦軸をGDP($)としてプロットし、最小二乗法によって近似曲線を描いたものである。Figure 2は横軸は同じであるが、縦軸は1960年と1985年のGDPの比(伸び率)とし、近似直線を描いている。Figure 1によれば平均男根長が長すぎても短すぎても良くないようで13~14cm位の国がGDPが高いことが分かる。図より加、豪、ニュージーランドがこの範疇に入っている。日本は短いながら良く検討していると言える。Figure 2を見ると平均男根長が長い国は伸び率が悪く、短い国のほうが高い。平均男根長の短いアジア諸国が伸び率が高く長めのアフリカ諸国が低いという結果が出ている。この論文はまだDiscussion Paperという位置付けで、サイズとGDPの関係についての最終的な結論に至っていない。今後の研究が期待される。

茅ヶ崎心中/藤竜也

藤竜也を始めて認識したのは「時間ですよ」に毎回出てくる篠ひろ子の居酒屋。カウンターの隅でいつも何も言わずサングラス姿で飲んでいて、篠ひろ子ママと何かありそうな無さそうな雰囲気を醸し出していました。後の「愛のコリーダ」で一躍有名になりましたが、それまでは大部屋的なヤクザ、チンピラ役が多かったようです。

このEPは何と言っても横尾忠則のジャケットが素晴らしい。「茅ヶ崎心中」という大仰なタイトルがついてますが、これが返って横尾忠則のヤル気を出させたのか、イメージピッタリのジャケットになっています。

歌は上手いとは言えませんが、語りをどう評価するか難しいところです。語りの冒頭「心をあわせると書いて心中と申します。」と言ってますが「中」を新漢語林を引いてみると字義として「あたる」、「あてる」とあるので、この事を言っているようです。ちょっと無理があるような気がしますが如何でしょう?但し、用例には「心中」は載っていました。全般的に歌に比べて語りは上手いような気がします。途中「女が、女が笑っています。」の処はすこしゾクッと来ました。

トホホ度 ★★★
お笑い度 ★★☆
意味不明度 ★★★

私自身/いしだあゆみ

彼女は昔から痩せ型ではありましたが、最近の激やせは少々気になります。この歌は細野晴臣の作曲でいわゆるティン・パン・アレーの面々がバックを固めており、バックコーラスには山下達郎と吉田美奈子が参加しているという豪華版です。

しかし、バックグラウンドは忘れてこの歌を聞いてみると、どうでしょう?メロディがハッキリせず、カラオケで知らない曲を無理やり歌わされた、或いは酔ってヘロヘロ状態で歌詞だけを追いかけて訳分からん状態になったような悲惨な状況を思い出してしまいました。珍盤・奇盤と言っては失礼ですが、この歌を覚えて正しくカラオケで歌うのは至難のワザでしょう。ゆっくりと余裕を持ってブルーライト・ヨコハマを歌ういしだあゆみがヤッパリ良いですね。

週刊文春「シネマチャート」全記録/週刊文春編

大昔は多くの本を読んでいる学生が偉いとされたものであるが、自分の学生時代は沢山映画を見ている事を自慢する輩が多かった。その頃の私はレコードを買う事ばかりで、余り映画を見ていない。よって映画好きのJDと話が合わず、恋人どころか友人にもなれないという残念な事案も発生した。最近はTSUTAYAで借りたり、映画館に行ったりして、結構見ているが、やはり若いころ映画を余り見ていないという事実が我が人格形成にどのような好又は悪影響を及ぼしたのか、考えてみたが、良く分らない。

この本は週刊文春に連載されている映画評を再集計し、洋画ベスト200、邦画ベスト50を選出したものである。洋画のNo.1はルキノ・ビスコンティ監督の「イノセント」。見た覚えはあるが良く覚えていない。邦画のNo.1は大島渚監督の「愛のコリーダ 2000」。これは日本初公開時に掛かっていたボカシの殆どを取って、オリジナルに近づけたそうである。以前見えなかったものが見えるようになったのは誠に喜ばしい事ではあるが、これが邦画No.1というのはどうも違和感が残る。

本書の巻末に年度毎の興行収入ベスト3、キネマ旬報ベスト3が掲載されている。これと本書のリストを見比べるとかなりの違いがある。例えば興行収入上位の「スター・ウォーズ」、「スーパー・マン」、「インディー・ジョーンズ」、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「ジュラシック・パーク」、「タイタニック」、「ハリー・ポッター」、「ミッション・インポッシブル」、「パイレーツ・オブ・カリビアン」等々の有名な映画は本書のベスト200に入っていない。

私は「売れているものはやはり良いものだ」と考えており、ビルボードのTOP40や書籍のベストセラー、TVの視聴率等は常に気にしている。小学生の頃はTVのザ・ヒット・パレードのランキングを毎週一所懸命ノートに書き写していた。しかし、本書を見ると文春の評者はこれらの売れている映画には興味が薄いようで、見下している訳ではないと思うが、やや通好みの評価になっている。例えば同率1位の「地獄の黙示録」は良しとしても同じく1位の「フンクイの少年」、「トントンの夏休み」などは全く分からない。これに比べ、キネマ旬報のリストは興行成績上位の作品がリストアップされており自分の感覚に近い。

これから益々暇になるので、暇つぶしに映画を見るためのガイドと思ってこの本を買ってみたが、どうもしっくりこない。最初からキネマ旬報のベストテンを検索すべきであった。

朝の蝶/鶴岡雅義と東京ロマンチカ

この歌は鶴岡雅義と東京ロマンチカが歌ってますが、ボーカルは三条正人では無く、縣浩也(あがたひろや)という人だそうです。そのせいか、曲調は敏いとうとハッピーアンドブルーという感じです。鶴岡雅義お得意のレキントギターのソロもありません。

歌詞は軽いリズムに乗ってさらっと流れていきますが、突っ込みどころ満載です。
「朝の蝶だと私を抱いた 広い背中が鏡に映る」<—鏡張りの部屋に居るようです。
「掘れても~惚れてもないのに、男ってあんなに激しくなれるのね」<—御意

夜の蝶はどこの盛り場でも毎夜遊弋していますが、朝の蝶というのは初めてその生態が確認されたようです。この歌はカラオケで無く、最近息を吹き返してきたスナックのカウンターで新入りの娘をチラ見しながらニヤニヤ顔で歌うのにピッタリな歌ではないでしょうか。

トホホ度 ★★★☆
お笑い度 ★★★
意味不明度 ★★

孤狼の血/柚月裕子著

最近映画「孤狼の血」の宣伝がTVやネットで繰り返し放送されている。最初はボヤッと見ていたが、著者の柚月裕子が「『仁義なき戦い』なくしてはありえなかった作品」と述べているのを知って興味が湧いた。自分はヤクザ映画を沢山見ている訳ではないが「仁義なき戦い」には強烈な印象がある。著者はこれをレンタル店で借りて「世の中にこんな凄い映画があったのかと、脳天をかち割られるほどの衝撃を受けた」ので、すぐにDVDで「仁義なき戦い」全巻を購入したそうです。

本作は「仁義なき戦い」同様、広島県を舞台に県警のベテラン刑事大上(映画では役所広司)とその部下になった新米刑事日岡(松阪桃李)が架空の町である広島県呉原市で暴力団抗争を防ごうと必死の立ち回りを繰り広げる。そこに居酒屋の女将(真木よう子)が絡んでくる。大上は暴力団の内情を通じていると共に癒着が噂されており、日岡は大上の違法捜査に不服ながらもついていく。

このプロットは名作と言われる「県警対組織暴力」(笠松和夫脚本 深作欣二監督 菅原文太 松方弘樹 梅宮辰夫 佐野浅夫等)に倣っており、ここでは菅原文太が暴力団と癒着した刑事を演じていた。これは実録物であるが、本作は完全に創作である。全編に渡り、だれ場が無く、現場での捜査、組の事務所に乗り込んでの交渉、県警での取調べなど緊張感をもって進行していく。最終章近くになって県警の汚職が明らかになり「ナヌ!」最後に「エェ!」という意外な結末。著者の巧みな構成力を感じる。最後の2頁のプロローグも洒落ている。

DVDで初めて「仁義なき戦い」を見た女性が取材の賜物とはいえ、これだけのヤクザ小説を書けるとは全くの驚きである。広島県警内の上司と部下のやり取り、ヤクザ組織の構成や抗争、広島弁のヤクザ言葉等々大したものだと思う。

話は変わるが、昨年5月に広島県警で証拠として保管していた8,500万円が盗まれるという事件があった。どう見ても県警内部の犯行としか思われず、職員全員を虱潰しにあたればすぐに犯人を検挙出来そうなものであるが、未だに解決していない。この小説を読んで、同じ広島県警という事もあり、この事件をふと思い出した。

もてたつもりの数え唄/梅宮辰夫

最近、人生に「モテ期」が3度ある、と聞くが、本当にそうか?自分に果たしてモテ期があったのか、と考えてみるに、特に思い当たる処が無い。しかし「モテたつもり期」なら確かにあったと思う。「モテたつもり期」とは要するに手玉に取られた時期。これは古今東西何処にでもあるんだろうが、古今亭志ん生は落語の廓話のマクラとしてこんな話をしている。

一人の芸者が並んだお膳の前で3人の客を相手する。左の客の膝に手を置きながら真ん中の客に酌をし、その時に右の客の目を見てにこりと笑う。左の男は「俺の身体に触っているのは、もしかしてだけど俺に抱かれたいのか?」真ん中の客は「まず俺に酌をしてくれるのは俺に惚れている証拠だ」右の客は「芸者だから、色々営業は大変だろうが、俺の顔を見て愛想を振りまくからには俺が本命だ」これで3人がコロリと参ってしまう。手練の芸者にしてみれば簡単なもんだろう。

この歌は将に「もてたつもり」を歌にし、浜口庫之助が上手くメロディを付けているが、もう少し歌詞に工夫が欲しかった気もする。梅宮辰夫の歌は上手いとは言えないが、ミョーな台詞が入ることもあり、トホホ度は満点を献上しました。彼の歌で一番の傑作はこのブログでも紹介した「シンボル・ロック」(2017.3.7)であるが、本作も高く評価したい。

トホホ度 ★★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★★

ひょっこりひょうたん島/夏木マリ

夏木マリ氏は「もお~いや、絹の靴下は、高いわりにはすぐいっちゃう」とお色気十分な歌とクネクネで一世を風靡してましたが、こんなのも歌っているんです。

このアルバムは高度成長期のヒット曲のカバー集です。しかし、聞いてみると何だか分かったような分からない編曲です。バックは実に気持ちよく演奏しているようですが、肝心の夏木マリのボーカルに寄り添う気配は微塵もなく、ただひたすら勝手に動いていくという感じです。多分、彼女はかなり歌いにくかったのではないでしょうか。

珍盤・奇盤に分類しては申し訳ないという気もしますが、今後このような曲は二度と現れないだろうという事で、評価してみました。

トホホ度 ★★★★
お笑い度 ★★★☆
意味不明度 ★★

春がいっぱい/シャドウズ

桜も終わり、初夏を思わせるような日もあれば、朝方寒さに目が覚めるというような日もあり、将に春本番となって参いりました。昔のラジオはこの季節になると必ずDJ又はパーソナリティ氏が「朝、眠いですねぇ、春眠暁を覚えず、云々」と言ってこの曲を掛けていました。

原題は”Spring is near here.”ですが「春がいっぱい」とは良い邦題を付けたものです。シャドウズは英国のロックバンドでビートルズの少し先輩にあたり、クリフ・リチャードとの共演でも知られています。ヒット曲は色々ありますが、この曲は「日本だけで売れた洋楽」の一つです。春真っ只中、なんだか眠いような、けだるいような雰囲気が良く出ています。